自然が生みだす神秘の樹形【岐阜県関市・株杉の森】

刃物や鵜飼いといった伝統文化の街として知られる岐阜県関市で、ちょっと不思議で神秘的な雰囲気のある「株杉の森」を見つけました!

株杉に会いに、出発!

株杉の森があるのは、紫陽花で有名な関市板取の21世紀の森公園の奥。県道52号線を進み、21世紀の森公園という標識で右折するとすぐに駐車場に到着。

6、7月は紫陽花も美しい21世紀の森公園

駐車場の地図を確認して出発!

岐阜県関市にある株杉

これが株杉!(写真提供:関市観光協会)

1本の株の地上2~6mくらいから細い木がニョキニョキと伸びていて、なんとも不思議な樹形に。多いものでは1つの株から10本以上の細い木が伸びているそうです。

たった1本でさえ不思議な形とその佇まいには思わず見とれてしまいますが、そうした木がここにはあちらこちらに生えていて、ちょっと異次元に迷い込んでしまったような…神秘的な空間が広がっています。

スギとは思えない!アートのような樹形

真っすぐに高く伸びる木「直ぐ木(すぐき)」が名前の由来ともいわれるスギ。しかしそれは人間が木材として適した性質を持つ種を選択し育成してきたため。積雪の多い日本海側の天然スギには雪で垂れた枝が土につき根を伸ばし、そこから新しい若木が育つ「伏条更新」、幹が雪により折れた場合に枝が直立し幹の代わりとなる「立条更新」など環境や遺伝の影響から特異な性質を持つものがあります。株杉もそうした特異な性質を持つスギのひとつ。もともと自然に持つ性質が、このアートな形態をつくりだしているということに自然や生命の不思議を感じます。

樹形も様々で写真映えする迫力!

なんど伐採されても萌芽する生命力

1つの株からニョキニョキと生えるこの不思議な形は、伐採をくり返し、その度に幹から萌芽し育つことでつくられてきたものなのだそう。ここだけで100株以上が確認されていて、株の直径が1mを超える巨木も30株以上。大きいものでは樹齢400~500年になるのだとか。巨大な株杉が集団で自生しているのは、全国でもここだけという特別な場所。周辺の静かな雰囲気もあいまって神秘の生命パワーを感じる気がします。他にはない雰囲気のためか、株杉の森は証券会社のCMに登場したことも。(株だけに?!)ロケ地に選ばれるのも納得のなんとも印象に残る景色が見られます。

森の中は散策路が整備されていて株杉群は30分程で見て回れましたが、滑りやすいところもありますのでスニーカーなどがおすすめです。ここでしか見ることのできない絶景と株杉が持つパワー、ぜひ一度ふれてみてください!

モネの池

モネの池(写真提供:関市観光協会)

板取川

板取川(写真提供:関市観光協会)

また、周辺にはインスタ映えスポットとして一躍有名になった“モネの池”や、清流・板取川もありますよ!株杉の森はもちろん、この地ならではの自然を満喫する休日はいかがでしょうか?


株杉の森(21世紀の森公園内)
〒501-2901 岐阜県関市板取2340-5
参考URL:
http://sekikanko.jp/modules/content/index.php?lid=189&cid=13
(一般社団法人 関市観光協会ホームページ)

参考資料:日本林学会誌 / 71 巻 (1989) 5 号 / 「岐阜県板取村のカブスギ集団の実態」