全国植樹祭の開催地としても注目を集めた 豊かな自然広がる憩いのスポット「愛知県森林公園」。

江戸時代初期は保護されていたものの、その後の伐採ではげ山になった過去も。

愛知県森林公園

愛知県森林公園の整備工事中の様子

6月2月(日)に愛知県で開催された「第70回全国植樹祭」。天皇皇后両陛下の即位後初の地方訪問ということもあり、例年以上に注目を集めましたが、このイベントの会場となったのが、愛知県尾張旭市にある「愛知県森林公園」です。

愛知県森林公園は、1934年(昭和9)に開園した愛知県立のレクリエーション施設です。尾張旭市から名古屋市守山区にまたがり、ゴルフ施設や未利用部分も含めた総面積は、なんと537ヘクタール。そのうち尾張旭市のエリアは約360haで、尾張旭市のおよそ6分の1を占めるほどの広さがあります。

この公園の一帯は、江戸時代の前期までは「えびづる御林」として保護され、鷹狩りなどをする御狩り場として知られていました。ところが、この地で盛んだった窯業のために樹木が伐採され、明治時代に入る頃になると、かつての緑豊かな森は見る影もなくなり、一帯はすさまじいはげ山になってしまったそうです。

その後、愛知県の治山事業によって樹木が回復し、1934年には日本初となる「森林公園」としてオープンすることになりました。第二次世界大戦の前後には、再び乱伐が行われたものの、今では本来の姿である温帯照葉樹林を徐々に取り戻し、年間100万人あまりが訪れる憩いの場として人気を集めています。

「日本の森林浴100選」に選ばれるなど、四季折々の自然に包まれた安らぎの場所。

一般公園内にあるセンター広場

一般公園内にあるセンター広場

愛知県森林公園には、総合案内所のほか、無料で入場できる一般公園、有料の植物園などが整備されています。

総合案内所では、野外演舞場、会議室、バーベキュー場などの利用届を受付けているほか、同じ建物内に自然素材を使った雑貨や木工品を販売する「森の雑貨屋」、カレーなどの軽食や各種ドリンクが揃う「森のカフェ」が併設されています。カフェの一番人気は、ウッドフレンズ森林公園ゴルフ場のレストラン料理長が監修した担々麺(650円)。胡麻の風味が利いた濃厚スープがヤミツキになる味わいです。

植物園内にあるいこいの森

植物園内にあるいこいの森

一般公園は、誰でも気兼ねなく無料で利用できるエリアに。33ヘクタールの広大な敷地に、花壇や芝生広場、こどもの家、児童遊園地、野外演舞場、ボート池、バーベキュー場などが点在しており、自然の中でピクニックを楽しみたいという方にもうってつけの場所です。有料(大人210円、中学生以下無料)の植物園には、広大な芝生広場のほか、区域別にテーマが設けられた森、水鳥の集まる大きな池、展示施設や学習施設などが設けられています。

このほか運動公園があり、家族や友人と一緒に、テニスや野球、アーチェリー、乗馬などのスポーツを楽しむことも。貴重な動植物が数多く生息し、「全国森林浴100選の森」にも選ばれた豊かな自然に触れながら、ゆったりした1日を過ごせるのが魅力です。

名古屋からすぐに足を運べ、気軽に森を感じたいときにはおすすめです!


愛知県森林公園
愛知県尾張旭市大字新居5182-1
開園時間 9:00~17:00
年中無休(臨時休園あり)
0561-53-1551(代)※一般公園・植物園に関してのみ
https://www.aichishinrin.jp/index.html