トトロの森
日本のアニメ制作会社であるスタジオジブリが手掛けた「となりのトトロ」を知っているでしょうか。
いまや世界的アニメ映画といっても過言ではありません。
さて、その「となりのトトロ」に舞台モデルがあることをご存知でしょうか。
埼玉県から東京都にかけて広がる狭山丘陵がモデルの一つとなっていると言われており、「トトロの森」と呼ばれています。
トトロの森の多くは自然のままに残った森や林ではなく、人々の生活とともにつくられた雑木林です。自然を破壊しつくさないように利用する循環型の暮らしは雑木林を擁する里山の環境にこそあるものでした。それはつい50年前まで、日本中のどこにでもあった風景なのです。
雑木林は歴史遺産・文化遺産であるという点でも、その価値が見出されています。さらに、現代人の私たちにも親しみ深く、心の安らぎを与えてくれる場所でもあるのです。
しかし、そんな里山が開発されるかもしれないという危機に瀕していました。
このトトロの森、「公益財団法人トトロのふるさと基金」がナショナルトラスト運動を通し保全しているトラスト地なのです。
ナショナルトラスト運動とは、自然環境等を寄贈や買い取りなどにより保全する活動のこと。
1991年のトトロの森1号地を皮切りに、2016年11月には40か所のトトロの森が存在しています。
自然豊かな里山であるトトロの森は一般市民向けの散策地として公開されており、トトロのふるさと基金ホームページから散策ガイドがダウンロードできるほか、探検ガイドが出版されています。
今回は、トトロの森にある施設や見どころをいくつかご紹介します。
・クロスケの家
2004年にトトロのふるさと財団が取得した古民家だそうです。
ここを拠点として様々な活動が行われています。
昔ながらの木造建築の風情ある家でまっくろくろすけが出てきそうです。
このクロスケの家の近くにある蔵では、狭山丘陵をテーマにした展示がされています。
さらに、4月1日には「クロスケの家ガイドツアーとトトロの森へのお散歩」というトトロの森の保全活動をテーマにイベントが行われます。
興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
ガイドツアーに参加できなくても、先に述べた通り散策ガイドがあります。
トトロのふるさと基金ホームページからダウンロードできる散策ガイドは、トトロの森周辺マップだけでなく、四季折々の花の説明がかわいいイラスト付きで紹介されています。
さらに、幹書房から出版されている「トトロの森の探検ガイド」では、植物に加え、昆虫や鳥など動物の紹介、見分け方がわかりやすく載っています。
これらのガイドブックを片手にトトロの森を訪ねれば楽しさ100倍間違いなしです。
狭山丘陵は自然豊かな里山。
冬の寒さも緩み、お散歩しやすい季節になってきました。
この機会にご家族と、お友達と、恋人と、トトロの森へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
【参考】
トトロのふるさと財団(1998)『トトロの森の探検ガイド:親子で楽しむ里山あるき』幹書房
公益財団法人トトロのふるさと基金, http://www.totoro.or.jp/index.html, (2017/3/9)