うさぎだらけの島に行ってみた
今回は、うさぎと戯れつつ海の景色と森林浴を両方楽しめる「大久野島(おおくのしま)」の風景をご紹介します。
地図から消された島!?
大久野島は、広島県竹原市の忠海(ただのうみ)港から沖合3㎞の瀬戸内海に位置している離島。周囲4㎞程度の小さな島ですが、地図上に載っていない時代がありました。実は、ここ大久野島では1929年に毒ガス工場が設立され、第二次世界大戦終戦まで秘密裏に毒ガス兵器が製造されていたのです。その機密性を保持するため、地図にも載っていない時代がありました。現在は、瀬戸内海国立公園に指定され、キャンプや釣りなどのアウトドアや宿泊ができる観光地となっています。さらに、島の各所では戦時中の遺跡を目にすることができます。遺跡の数々は、日本と別の国では?と思わせるような雰囲気を持っていました。
そんな暗い歴史を持つ大久野島ですが、今では別の明るい話題で人気を集めています。
それは、大量のうさぎです!
この島には野生のうさぎがたくさん住んでいます。
なんとその数およそ700匹!別名“うさぎたちの楽園”などとも呼ばれています。どうして、こんなに多くのうさぎが生息しているか気になりませんか?1971年に小学校で飼えなくなった8匹のうさぎを放ったところ700匹まで増えてしまった、というのが一番有力な説と言われています。
ちなみに、島にいるうさぎはすべて“アナウサギ”という種類です。ここでは、うさぎの方から寄ってくるのでうさぎと簡単に交流できてしまいます。ただし、エサの買い忘れには気をつけてください!エサは忠海港最寄りの待合所で購入可能です。いろんなうさぎとの出会いがあなたを待っています。
可愛らしいうさぎはもちろんですが、この大久野島の見どころの一つは何といっても海でしょう。大久野島へは忠海港からフェリーで15分ほど。島から見える海の絶景は圧巻です。光の当たり方で様々な色を見ることができます。私には、翡翠色のようにも見えました。
島は一周3.3㎞ほどなので歩いて散策もできます。せっかくなので、この島に来たらぜひ展望台まで登ってみましょう。山頂までの道はしっかりとした道路となっており、山頂までもあっという間についてしまいます。歩いては出てくるうさぎたちに癒されながら登る山道は疲労感を感じさせません。そして、登頂後の景色がまたとても素晴らしいです。瀬戸内海に浮かぶいくつもの離島を眺めることができます。
周りがすべて海に囲まれている景色というのもなかなか目にする機会が少ないのではないでしょうか。気持ちの良い海風とともに離島特有の景観が楽しめる大久野島。動物好きはもちろんのことアウトドア好きにもおすすめのスポットです。
参考文献)広島県の歴史散歩編集委員会(2009)『広島県の歴史散歩』山川出版社