森のホタル~森の中の電飾~

幻想的な森の中の電飾

ホタルと聞くと川辺にいるホタルを想像しませんか?日本で代表的なホタルとして、ゲンジボタルやヘイケボタルが有名です。これらのホタルは水生であるため、川辺のイメージが強いのかもしれません。しかし、世界中にいるホタルのほとんどは陸生で、森の中にも住んでいます。今回は森に生息しているヒメボタルをご紹介したいと思います。
ヒメボタルは日本固有のホタルで本州、四国、九州などに生息。平地から標高の高い場所まで生息していることが確認されています。山の中で見られることが多いため、“森のホタル”という名称で呼ばれることもあります。
*ヒメボタルの特徴
ゲンジボタルの光がじわりと、ゆっくり光るのに対して、ヒメボタルの発光間隔は短いです。また、ヘイケボタルの光よりも強く光って電飾のように見えます。また、雌は後ろ翅が退化しており飛ぶことができません。

最大規模のゲンジボタルとヒメボタルの大饗宴!

鳥取県日野郡日南町には、ヒメボタルとゲンジボタルによる幻想的な風景を見ることができる場所があります。実はこの町、筆者のふるさと。
日南町の山奥へ進むと福万来(ふくまき)という場所に行きつきます。ここでは、6月下旬ごろからゲンジボタルが光り始めます。7月上旬になるとゲンジボタルのピークを迎え、ヒメボタルも多く光り出します。その後、ゲンジボタルのピークは過ぎ、ヒメボタルのピークがやってきます。例年、ヒメボタルは7月の第2週ごろまで見ることができます。7月7日前後になるとその年の一番の見ごろを迎えます。その時ヒメボタルとゲンジボタルの発生がうまくかぶれば、鑑賞道を挟んで川側にはゲンジボタルを、山側ではヒメボタルを同時に見ることができます。特に、数万匹(最盛時)ものヒメボタルが森の中で光っている様子は“森のイルミネーション”と呼ぶにふさわしい光景です。今までの人生の中でこれほど幻想的な光景は他に知りません。見た人の心を動かす風景がここにはあります。
近年、人気と認知が増えてきたことから交通渋滞がおこるようになりました。交通渋滞緩和・環境保全のため、平成29年度より道の駅にちなん“日野川の郷”から福万来まで無料シャトルバスの運行が開始されました。その他にも、保護協力金、注意事項の取り決めなどが行われています。このようにホタルの環境を守るための様々な取り組みが広がってきており、幻想的な風景を守っています。地元の方の思いがあふれるこの日南町へ、めずらしいホタルの饗宴を見に足を運んでみてはいかがでしょう。

詳しくは、こちらのホームページよりアクセスしてみてください。

https://www.nichinan-trip.jp/natural/fukumaki-hotaru/(日南町公式ホームページ)
http://blog.zige.jp/yamagami/
(山上まちづくりの会:ホタルの情報発信サイト)