ひきこもり育児が一転!自然を楽しむ子育てへ。ママを変えた!親子で楽しむ森あそび「森っこ」

親子で楽しむ森あそび「森っこ」は茨城県にある水戸市森林公園を拠点に、乳幼児とその保護者を対象とした子育て広場です。今年で3年目を迎え、「自然の中で子どもはのびのび、大人は癒され元気になる」をテーマに、晴れでも雨でも森で活動しています。

代表の宮崎広恵さんは立ち上げたきっかけをこう語ります。

「私は自然が大好きです。以前はソロキャンプで旅をして長く森の中にいることもありました。豊かな緑に囲まれると肩の力は抜け、気持ちは穏やかになります。自分が母になり子どもと向き合う毎日、“わが子を自然の中で遊ばせたい” “子どもと一緒に緑の中で過ごしたい”と感じている、私のような『お母さん』たちがきっといるのではと思い、森っこをスタートさせました」

今回はそんな森っこに参加して、その魅力を探ってみたいと思います!

朝のあいさつとお散歩

朝10時頃、ハーモニカに合わせ『おはようの歌』が森に響きます。透きとおった空気を吸い込んで良い気持ちです。替え歌『ちいさなどんぐり』で踊り出したスタッフのみなさんはとても楽しそう。始めはキョトンとしていた子どもたちも、続くお母さんとのふれあい遊びに表情も緩んでいきました。

森っこでは自然の中で子どもの好奇心のままに、その子のペースで過ごすことを大切にしています。カエルに出会いジーッと見つめ指先で触ってみる子や、手のひらが紫色になるほど木の実をつぶす子、もぐら穴をひたすら掘っている子も、“遊び”は子ども自身が発見しています。トレイルランニングの選手のようにひたすら森の小道を駆けぬけていく子もいます。

森っこ

森の中で何かを見つけた子どもたち

目に映る緑や花々の彩り、小鳥たちの声、土の感触、雨上がりの香り、森にはここにしかない子どもたちの五感を刺激するものが溢れています。

「まつぼっくりを初めて触り、嬉しそうにしていた子の笑顔が忘れられません」と話す宮崎さん。「特別に豊かな自然でなくても、小さな子どもたちにとっては十分刺激的なんです。子どもたちの表情に私たちスタッフも元気をもらい、実は一番楽しんでいますよ」

お弁当と午後のひととき

いっぱい遊んだ子どもたちは待ちきれないとばかりにお弁当を広げます。そのそばで、子どもの「食」について話すお母さんたち。子育て仲間と一緒に食べることで、食の幅が広がるきっかけにもなっているそうです。

森っこ

昼食後は、みんなで大の字に寝転がってリラックス。真似をしてみるとひんやりとした空気、土と草の香り、木々を下から仰ぎ見て、大地に吸い込まれていくようです。

お弁当を食べ終わった子どもたちが思い思いに遊んでいると、ハーモニカの音に合わせ『さんぽ』が聴こえてきました。歌と手遊びからの絵本タイムは、おすすめの絵本を持ち寄り、いろんなお母さんの読み聞かせを楽しむそうです。小さな子どもたちが夢中になって聞いている姿が印象的でした。緑の中で読む絵本は不思議とその情景まで胸に残るのかもしれませんね。

参加者の声

終了後、参加されたお母さんたちに感想を聞いてみました。

「はじめは子どものためにと思って参加したけど、大人の自分が癒される効果がすごいと感じています」

「息子が2歳の頃、初めての育児に私自身引きこもりがちになっていました。森っこに参加してからは、いつのまにか沢山外に出て、自然を楽しむ子育てに変わりました。息子は泥だらけになって遊び、森も大好きです。私も自然に感謝し大切にする気持ちが芽生えました」

そう教えてくれた中野さんは今、息子さんと森林保全の活動にも積極的に参加しているそうです。

森っこの活動を重ねてきた宮崎さんは、こうも話してくれました。

「当初の想像以上に参加してくれた子どもたちは自由に遊び、大人たちは心身ともにリフレッシュしています。身近にある森へ一歩踏み出すきっかけとなれたのなら嬉しい限りです」

昨今、乳幼児期の自然体験が重要視されるようになってきました。また、子育てにおける“母親の孤立”も社会問題となっています。

当事者であるママたちが自らの手で温めてきた「森っこ」の活動は、そんな状況に一石を投じる可能性を感じます。この場を経験した子どもたちの今後の成長も楽しみですね!


参考サイト
・Web「森っこ」 https://sites.google.com/view/moricco/