ほっこりやわらかな自然のイメージを表現。デザインの力で日常にワクワクを。

渡辺 彩乃(あやの)さん

現在、岐阜県高山市内のデザイン事務所にてデザイナーとして働いている渡辺彩乃さん。
今年10月に開催された“自然の魅力を再発見する”をテーマとしたイベント「木とことフェスタ2016」でデザインを担当し、そのほっこりやわらかな自然のイメージを表現しました。

そんな渡辺さんに、デザイナーとして現在に至るまでの流れ、また今後の未来への展望をお聞きしてきました。

自然豊かな高山市に生まれた渡辺さん。幼少期はあらゆる印刷物が好きで、気に入った広告を切り抜いてはスクラップしたり、実際にキャンペーンの企画を自分で考えては手書き広告をつくるなどして、家族や周りの人に渡すことが好きな子どもだったといいます。

方向転換から選んだデザイナーの道

石浦事務所内の風景

石浦事務所内の風景

人生の岐路だったのは大学受験。英語が好きで、交換留学生としてデンバーへ留学したことがきっかけで、将来は英語を生かした道に進みたいと考えていたといいます。しかし近い将来、英語は誰もが身につける時代がくる、という考えがずっとどこかにあり、もっと自分にしかできない仕事をしたいという思いで、デザイナーであった父のことも影響し、急遽美術の道に進もうと方向転換。そこからデッサンを勉強し、宝塚大学造形芸術学部へ進学します。大学では産業デザインを学び、タイポグラフィやロゴマーク、キャラクターデザイン、フォトグラフィーなどさまざまな分野の制作をしました。

 

大阪でのデザイン修行を通じてみえたこと

大学卒業後は、大阪市内の広告制作会社に就職し、関西のクライアントを中心とした広告をはじめエディトリアル、イラストレーションなどを手がけ、クオリティとスピードが求められる中、仕事に没頭する日々でした。
6年間の勤務後、地元・高山市でデザインをする決意をし、帰郷。父が経営するデザイン事務所にて、新しい環境でデザインをする日々が始まりました。高山での活動を開始し、最初に行った仕事は高山市合併10周年記念映画「きみとみる風景」のビジュアル制作だったといいます。

 

映画「きみとみる風景」で手がけたビジュアルデザイン作品

 

映画「きみとみる風景」で手がけたビジュアルデザイン作品

映画「きみとみる風景」で手がけたビジュアルデザイン作品

デザインするにあたって、広告制作会社にいた頃は「いかに表現するか」ということを突き詰めていくことを重要としていたスタンスから、今は営業から始まり、事務処理から何まで「表現する」こと以外にもやることが増えたので大変だといいます。しかし、今ではそれらも含めて「デザイン」なのだということを痛感し、過程を大切にしているといいます。

そしてこれまでの制作でみえてきたこと、それは企画・ブランディングから作成までを行うという仕事のやりがいでした。

木とことフェスタのデザイン担当

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まさにその仕事を形にできた取り組みが「木とことフェスタ2016」での制作だったといいます。「木とことフェスタ2016」では、運営委員のメンバーとして企画から携わり、イベントのメインビジュアルを中心に、あらゆる制作物のデザインを行いました。

第一回目のイベント開催ということもあって、どんなビジュアルでどういう風に訴えていけば伝わるかを、随分考えました。デザインが、視覚で伝えられる容量には限度があります。でも、何かおもしろそうだな、素敵だなと、心が動くきっかけとなるものがつくれたらなと思って制作しています。
人が活き活きしている街は、きっとデザインも生きている街。生きたデザインで、日常にほんの少し、ワクワクが増えたらいいなと思いますと渡辺さんはいいます。

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渡辺 彩乃 グラフィックデザイナー

宝塚造形芸術大学 造形学部産業デザイン学科卒。
渡辺デザイン事務所 グラフィックデザイナーとして勤務。

 

渡辺デザイン事務所

<上三之街事務所>
〒506-0846 岐阜県高山市上三之町92(喫茶去 かつて2階)
TEL&FAX:0577-34-1511

<石浦事務所>
〒506-0825 岐阜県高山市石浦町2-178
TEL&FAX:0577-33-3657
HP:http://www.wdo-kao.jp/watanabe_design/