「恵那のモリコトプロジェクト」

今年から岐阜県恵那市で動き始めたばかりのプロジェクト。新しい視点から森の活用を探るこの取り組みをご紹介します。

森がもっと面白くなる!
新しい森との関係性をつくる

「俺んち、実は山持ってるみたいなんだよね」。
とある飲み会で祖父母が山林を保有するという春日井省吾さんからぽろっと出たひと言。ここから「恵那のモリコトプロジェクト」はスタートしました。東京で不動産関係の仕事に勤める春日井さん。以前から、生まれ育った岐阜県恵那市の実家に東京の友人を招いて地元の魅力を伝えるなど、田舎の可能性を模索していました。一方、もともと森との接点はなかったものの、森と都市とのつながりを紡ぎ出そうとしていた森本健太さんとの関わりから、新たに森を活用する可能性を探っていくこととなりました。

 

対象となった森は40~50年生のヒノキが中心の人工林。ここ数年は間伐がされていませんでした

対象となった森は40~50年生のヒノキが中心の人工林。ここ数年は間伐がされていませんでした

このプロジェクトでは、山や森に限らず、田舎の資源を活かし、都市に住んでいる人が訪れて楽しみ、魅力を発見するきっかけを作る手法を探っています。特に森を活かす点では、木材生産だけではなく、アクティビティの舞台としてその場づくりに取り組んでいます。プロジェクトには、春日井さんと一緒に楽しんで森での活動をデザインしたいと思う人々が集まっています。都市からは「田舎に遊びに行こう、森で何かしようぜ!」という声かけに興味を持った人たちが参画し、山からは林業女子会@岐阜や林業大学校(岐阜県立森林文化アカデミーなど)の学生に「山主と森を自由にデザインしてみないか」と声をかけ、興味を持った人たちが参加しています。プロジェクトの一環として、9月10・11日にイベントを実施。森の中で食事をしたり、コンサートを開いたりしました。開催までには、2度現地に集まり、森の現状確認や整備作業を行い、森の中にステージと観客席になるスペースを少しずつ制作。作業する中では、全く林業を知らない人が木を倒す様子を見て感動するシーンや、山の人が街の人の疑問に答える場面がありました。

 

山の人と街の人が交わる瞬間。街の人にとって山には未知が溢れていました

山の人と街の人が交わる瞬間。街の人にとって山には未知が溢れていました

イベント当日は、天候があまり良くなかったこともあり、小規模ではありましたが30分ほどの小さなコンサートを開催。森の中の静かな空気の中にトランペットとサックスフォンの音が響くのはとても新鮮で不思議な雰囲気に包まれていました。「いずれは、地元の方々にも楽しんでもらえるようなコンサートをできるくらいにしていきたい」と共同代表の森本さんは話します。

 

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新しい森との関わり方。コンサートを通して、「今まで森に関わることがなかった人を巻き込んでいきたい」と話す森本さん

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今後も継続して、森に、山の人、街の人が集い、それぞれが交流する意義ある活動の場づくりを目指します。次回のイベントは、2017年1月以降に開催予定です!

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森本 健太
恵那のモリコトプロジェクト 共同代表
東京都出身。東洋大学国際地域学部卒業。地方の中小企業などを支援するNPOに所属する傍ら、「森と都市との関係性を再構築する。」をマイテーマに、「恵那のモリコトプロジェクト」でいかに森を面白く、人が集まる場にできるかに挑戦中。若手林業ビジネスサミット2015 in京都 実行委員。
プロジェクトに関するお問い合わせ → ena.morikoto@gmail.com