森でみつかるビジネスの種?森のビジネスモデルシリーズ第3回
全10回でお届けする森のビジネスモデルシリーズ
このシリーズでは、林業・森林利用にかかわる産業についてビジネスモデルに注目して紹介するシリーズです。生産・物流・小売りまで幅広いトピックを森ワク学生ライターがわかりやすく説明していきます!
第3回では“フリーミア”に着目してお届けします。
フリーミアとは?
最近ではウェブサービスの多くは“無料”で利用できるようになりました。オンラインストレージや料理レシピの共有サイト、チャットツールなど実に多様な無料サービスが存在します。昔は親に“ただより高いものはない”と教えられたものですが、今ではその親もいくつもの無料サービスを利用しています。サービスを維持するにはコストがかかりますが、なぜ無料でサービスを提供できるのでしょうか?
フリーミアのモデルでは、無料サービスで基本的な機能を提供しつつも高付加価値な機能を有料で提供することで収益化を行っています。オンラインストレージでは有料で追加容量、レシピの提供では絞り込み検索やカロリー機能の表示などの追加機能が有料のサービスとなっています。無料で商品・サービスを提供する仕組みとしては、無料製品のコストを有料製品にして提供するかたちや、広告枠を設定して収益化し、実質的に広告主が無料製品のコストを負担するかたちなどがあります。一方フリーミアでは、無料サービスに+αで付加価値のついたサービスを有料提供することにより、無料サービスのコストを賄っています。
では、なぜ無料サービスを提供するのでしょうか?初めから高付加価値のサービスを販売した方がコストは低くなり、収益が増加しそうです。無料でサービスを提供する理由は、フリーミアが多く採用されているウェブサービスの性質と関係があります。市場の情報量が多いインターネット上では顧客の注目を浴びるのは難しいです。しかし、無料のサービスを提供すれば、利用者を爆発的に増やすことができる可能性があります。その利用者に対して、フィードバックを求めることによってサービスの向上を実現しやすくなります。
また、ウェブサービスではユーザーが増えても管理コストが比例的には増加しないため、多くの顧客を相手にするのに向いています。フリーミアのモデルの多くでは有料のユーザーが5%ほど存在し、その5%が売り上げを作り出しています。サービスの対象が幅広く多くの人数を相手にすることで、収益を確保できるモデルとなっています。フリーミアのモデルで成功するポイントは“あったらいいな”から“ないと困る”というサービスを無料版から有償版で提供することです。このモデルがうまくいかないケースとして有償バージョンの利用者が増加しない場合があります。この時に無償バージョンの利用者が“なくては困る”というサービスを展開し、有償バージョンに誘導する必要があります。また有償バージョンが伸び悩んだ場合でも広告費で収益を増やし軌道に乗せる場合もあります。
森のフリーミア
ハイキング・山歩きをサポート森のナビゲーション
森林利用の機会として、多くの方はレクリエーションとして利用する場合が多いのではないのでしょうか?手軽なハイキングから本格的な山歩きまでレベルは様々ですが、一度は景色を楽しんだりした機会はありませんか?
しかし、初めて山へ入る場合は分からない事も多く、場所が変われば勝手も変わります。そんな人を対象に森林レクリエーションをサポートするサービスを提供するのはどうでしょうか?全国の森林レクリエーションを体験できるスポットの利用の仕方、地図や工程表づくりのサポートなどウェブを通じて無料で受けることができるサービスです。有償版としてさらにプランニングの委託、山林の音声解説、宿泊施設の予約機能などを追加します。森林を気軽に楽しむサポートから、森林へ行くには欠かせないツールへサービス展開できれば、フリーミアのモデルで成功することも期待できるかもしれません。
今回はフリーミアについて解説していきました。
ここから新しいビジネスが生まれるかも?