森でみつかるビジネスの種?森のビジネスモデルシリーズ第4回

全10回でお届けする森のビジネスモデルシリーズ
このシリーズでは、林業・森林利用にかかわる産業についてビジネスモデルに注目して紹介するシリーズです。生産・物流・小売りまで幅広いトピックを森ワク学生ライターがわかりやすく説明していきます!
第4回では“シェアモデル”に着目してお届けします。

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シェアモデルとは?

シェアモデルとは、カーシェアリングのように製品を購入するのではなく、“利用すること”に対して支払いを行うサービスのことです。シェアリングエコノミーという言葉も最近は注目されてきていますが、本質としては遊休資産の稼働率を上げることで利益を増加させることにあります。例えば一般家庭で一日1時間しか車を運転しないのであれば、その車は他の23時間はなんの価値も生み出していません。そこで、カーシェアリングを通じて他に車を必要としている人と結び付けて稼働率を増加させ、効率的な経済活動を行うことができます。製造業では工場の稼働率を上げるのは常識ですが、最近はより消費者に近い場面でも同じ現象が起きています。シェアモデルが受け入れられた背景には、消費者の購買行動の観点が“所有”から“利用”へ変化した背景があると思います。
シェアモデルの仕組みは遊休資産を保持している人と、遊休資産を借りて利用したい人とのマッチングです。このマッチングサービスで提供している価値は“信用”です。資産を貸すには少なからず不安が生じます。車内を汚く使ったり、事故を起こしたりするような利用者に自分の車を貸したい人はいないはずです。そのため与信を担保することがこのビジネスモデルを成功するには必要不可欠になってきます。
与信を担保するために相性の良い仕組がSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)です。知り合いの利用レビューは信用しやすいですし、個人同士の関係によって成立するSNSでは、ユーザーがだれであるのかを保証することができるためです。個人の行動がSNSによって記録されることで個人の与信を判断できるようになっていけば、さらにこのサービスは充実するかもしれません。

森のシェアモデル

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別荘のレンタルマッチングサービス

高度経済成長期に保養地での別荘開発が盛んになりましたが、現在では売りに出されている別荘が多くあり、価格も下落してきています。そんなかげりが見えてきた別荘と、手軽で少し特別感のある休暇を望む人のマッチングサービスは可能性がありそうです。日本の休暇の取り方は1泊2日など短いケースが多く、別荘の稼働率は低くなりがちです。そこで別荘の購入はできないけれど、ホテルよりプライベートな空間を望む利用者をターゲットにマッチングを行います。すでに“民泊”といった形が広がりを見せており、世界的な利用者も増加していることから今後も注目なサービスです。日本としても、観光として農村地域へのグリーンツーリズムを推進しており、制度が整備されれば広がりを見せるでしょう。現在は民泊という括りで論じられますが、より農村地域に対象を絞ったサービスを展開できれば新しいビジネスチャンスとなるかもしれません。また農村地域に残された空き家のリノベーションサービスと連携して、レンタルスペースのマッチングが展開できればさらに可能性が広がりますね。

今回はシェアモデルについて解説してきました。
ここから新しいビジネスが生まれるかも?