森でみつかるビジネスの種?森のビジネスモデルシリーズ第2回

全10回でお届けする森のビジネスモデルシリーズ。
このシリーズでは、林業・森林利用にかかわる産業についてビジネスモデルに注目して紹介するシリーズです。生産・物流・小売りまで幅広いトピックを森ワク学生ライターがわかりやすく説明していきます!
第2回では“サブスクリプション”と森に着目してお届けします。

サブスクリプションとは?

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サブスクリプションモデルとは、「動画見放題」「音楽が聴き放題」といった定額課金で利用されるサービスに代表されるビジネスモデルです。利用者としては毎回の購入の手間が省け、利用頻度の高いユーザーにとっては、1つの商品を購入したりレンタルしたりするより安くすむメリットがあります。提供者側としても、売り上げの安定化やリピーターを抱えることによるメリットがあります。最近ではネットサービスとの組み合わせが多く、管理コストを抑え易い仕組みとの相性が良いようです。また月毎の課金制度によって単価を下げて購買による心理障壁を軽減させる効果もあります。

また顧客を抱える、利用し放題のコンテンツを用意することや定期的支払いということからわかるようにいわゆるストック型のビジネスモデルになっています。よって初期投資はフロー型に比べて大きくなりがちですが、一度安定すると広告収入などによって収益率を上げる機会が作りやすくなります。

「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」このビジネスモデルにおいて、重要なマーケティングの格言です。ドリルを買う人はドリルという道具を手に入れることが目的ではなく、その道具を用いて穴をあけることを目的にドリルを買うということです。例えばスポーツジムに通う人が月謝を払うのはトレーニング器具が欲しいのではなくトレーニングという体験を通じて健康な肉体を手に入れたいという目的のために月謝を払うのです。このビジネスモデルで重要なのはまさに“体験を売る”という発想なのです。体験というニーズを満たし続けることと定額課金というサービスの相性が重要になっているのではないでしょうか?

このビジネスモデルではユーザーの離脱率がもっとも注視すべき指標になります。いつ、なぜ離脱したのかを把握して改善に努めなければすぐにこのモデルは破綻します。単純に売り上げの平準化を狙うのではなく、サービスの改善を行い、顧客体験を充実させることを目指せる企業が実践できるモデルだと思います。

森のサブスクリプションモデル

1. 森林体験をどこでも!VR×森林浴

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サブスクリプションの事例として動画視聴を対象としているサービスはすでに存在しますが、さらにサービスを拡張してVR(バーチャルリアリティ)を対象としたサービスの可能性は広がりそうです。VRとの組み合わせとして森林浴は相性が良いかもしれません。森林浴は私たちの体にプラスの作用が働くのは有名ですが、五感のうち視覚だけでも効果が認められているようです。実際に森林へ行く時間は取れないけど自然を感じていたいという人に対してVRの機器と映像を使い放題にするサービスはニーズを満たすかもしれません…。日本各地の山林や季節によってコンテンツが変化するのも面白いかもしれませんね。

 

2. 木の薫る温泉

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大きなヒノキ風呂で心ゆくまでのんびりする…こんな贅沢味わいたくありませんか?温泉施設の利用システムを毎回の入館料ではなく、月又は年で定額課金にすることでサブスクリプションのメリットを活かすことができます。温泉施設は設備の稼働率を上げることが重要なのでサブスクリプションモデルとの相性は良さそうです。

今回はサブスクリプションについて解説してきました。
ここから新しいビジネスが生まれるかも?