木材流通を加速させる!「インターネット木材市場 eTREE®」の魅力

木材の買い手と売り手をつなぐマッチングサイト「インターネット木材市場 eTREE(https://www.etree.jp/)」をご存じでしょうか。

従来、木材が欲しいと思っても「どこに行けば良いのかわからない」「近場で購入できるところがない」という人が多くいました。しかしこのeTREEを利用すれば、ネット上で全国各地のあらゆる木材が購入できます。eTREEは、いままで足を運ばなければ購入できなかった木材市場に新しい風を呼び込んだサイトなのです。

※ eTREEとは?
木材に特化したプラットフォーム。林業家・製材所・販売店の経験をIT技術で見える化して、全国の買い手へ提供している。売り手は木材を倉庫に搬入するだけ。表面を磨いたり、採寸したり、撮影、ウェブ掲載、保管、加工、梱包・発送まですべてeTREEが行うため、販売の手間を解消できます。買い手は購入したい木材をネット上で探すことが可能となりました。

今回は、そんなeTREEを運営する株式会社森未来(しんみらい) 代表取締役 浅野純平さんに、お話しを伺いました。

eTREEで日本が抱える林業の課題解決を目指す

森未来代表の浅野純平さん

株式会社森未来代表の浅野純平さん

——なぜeTREEをつくろうと思ったのですか?

浅野:「会社の成り立ちにも関係するのですが…もともと僕はIT業界で働いており、起業をしたいと考えていたんです。そこで、起業するなら社会や地域に貢献できる事業をやりたいと思っていて。そんなとき、『日本の森林率は70%なのに、木材の大半は輸入に頼っている』という現状を知り、この林業の課題に着目するようになりました。

会社のミッションに『林業を持続可能な産業にする』とあるのですが、海外に頼らず、日本の林業で生計を立てられるような流通を作りたいなと。そんな思いで作ったのがeTREEです」

浅野さんは、eTREEを通して日本の木材を適正価格で売りたいと語ります。

浅野:「日本では50年、60年と長い時間をかけて大切に育てた木が、一本千円で売られていることがあるんです。お爺ちゃんが若いころに植えた木が、ようやく自分の代になって伐採できるようになっても、一本千円となると補助金なしでは生計が立てられません。長い年月をかけて木を育てたコストにも見合いませんよね。それをどうにかしたいんです」

さらに、適正価格にすることで購入者側にもメリットがあるとのこと。

浅野:「基本的に日本の木材を購入したいと思ったら、地域にある材木屋へ行くぐらいしか方法がありませんでした。ホームセンターにも木材はありますが、一点ものが欲しいなら材木屋へ行くしかありません。しかし、材木屋で取り扱っている木材って『全国共通でこの木は〇円』みたいな決まった値段がないんです。一点ものの木は、育てた環境とか、育て方とかが地域や人によって異なるので。だから材木屋は、お客様によって価格を変えている時がありました。

業界関係者じゃないと木材の値段ってわからないじゃないですか。材木屋の言った値段が高いのか安いのか判断できない。そういった購入者側の課題も解決したいと考えています。

eTREEを利用する購入者は、写真でしっかり木材を吟味できるし、産地やどういう人が販売しているのかもわかる。さらに、適正価格で購入できるんです」

——木材の値付けって難しいんですか?

eTREEの倉庫内にある木材。色んな形・サイズの木材を取り揃えています

浅野:「難しいですね。節や曲がりなどの状態にもよりますし、どういう使い方をしたいのかとか、いろんな要因が重なって値段が決まるんです。例えば、建築家から見るとすごく価値のある木材でも、別の職業の人が見ると価値が低いとか、購入者の価値観の違いもあるので。

木材って骨とう品と同じなんです。その木材に価値を見出す人もいれば、価値を感じない人もいる。工業製品みたいに、人件費や材料費とかで簡単に決まるわけじゃないので、毎回値付けには頭を悩ませています」

野菜のように、生産者の顔が見える木材を

eTREEの生産者たち

eTREEの生産者たち

——eTREEをリリースされて反響はありましたか?

浅野:「反響はありましたね。掲載してほしいという人からの依頼も多くて、どんどんサイトに増やしているところです」

——木材はどのような人が購入されるのでしょうか?

浅野:「建築関係の人が多いです。あと、個人でDIYをしたいといって購入された人もいます。ただ木の一点ものって、実際見ないとわからないと思う人がまだまだ多いので、そこをどうやって解決してくのかは一つの課題です。

購入者から、おがくずだけ欲しいとか、想定していない要望が出てきたこともありました。eTREEを運営していくうちに、新しい購入者層やニーズが出てくるんじゃないかとも感じています」

——eTREEを見ていて、産地とか販売工場の紹介が書かれているのが面白いなと思いました

浅野:「例えば野菜って、生産者の顔とか産地とかがわかりますよね。それを木材でやりたいなと思ったんです。野菜だったら一年に一回の収穫ですが、木の場合は50年、60年に一回の収穫となります。そんな、長い年月をかけて育てた木材の作り手・売り手の顔が見えないのは、非常にもったいないなと思ったんです。

また、売り手だけじゃなくて、木のストーリーも伝えたいと考えています。例えば、『もともと神社の社木で、樹齢300年は経っています。2010年頃の伐採後すぐに製材したので、10年近く乾燥してます』とか。そういった木のストーリーも大切にしていきたいと思っています」

eTREEが木材流通の新しい道を切り拓く

eTREE

eTREEの商品ラインナップ

eTREEはどんな木が売られているのか、どんな人が売っているのかなど、見ているだけで楽しめるサイトです。多種多様な木材が販売されているため、専門家だけでなく、DIY用の木材を探しているといった一般の人も利用できます。木材を探しているときはぜひ覗いてみてください。

日本の林業の課題は簡単なものではありませんが、今回のインタビューを通して、eTREEの取り組みで新たな可能性が開けてくるのではないかと感じました。今後、どんどん提携先も増え拡大していくだろうeTREEのさらなる発展が楽しみですね!


株式会社森未来(eTREE運営元)
〒108-0014 東京都港区 芝 5-14-14 ビジデンス三慶 401
03-6453-9234
info@shin-mirai.co.jp
ホームページ https://shin-mirai.co.jp/
インターネット木材市場eTREE https://www.etree.jp/