船坂酒造店〜飛騨の自然と職人が生み出す日本酒〜
江戸の末期からおよそ200年続く岐阜県高山市の老舗酒蔵「舩坂酒造店」。
飛騨高山の古い街並みに溶け込んだ佇まいは歩んだ歴史を感じさせます。
そんな歴史ある酒蔵と自然との関わりについて、広報を担当する桂川千佳さんからお聞きしました。
酒造りに欠かせないのが水と米。特に水は「酒の味をつくる」といわれるほど重要です。「飛騨の自然がきれいにしてくれた空気は、お水とお米を美味しくしてくれます」と桂川さん。
面積の9割以上が森林に覆われている高山市。冬、山に積もった雪は春になると雪解け水となり、豊富な森林の濾過機能で磨かれます。そうしてできた山水はとても美味しく酒造りに最適です。
また同社では冬に酒を造ります。日本酒は製造過程で発酵を行いますが、ほんのわずかな温度変化で仕上がりの味が変わってしまうほど、温度管理は重要です。長期間低温で発酵させた方が良い銘柄もあるため、厳しい冬の寒さを利用します。
外気とほぼ同じ温度の場合もある酒蔵の中で酒を造るのは「杜氏(とうじ)」と呼ばれる製造の最高責任者。杜氏の腕しだいで同じ原料、造り方でも味が変わってしまうため、できたお酒は技術の証明なのです。
舩坂酒造店を代表する銘酒「深山菊・飛騨の甚五郎」も、木と関わりがありました。「飛騨の甚五郎」の名前の由来となったのは、江戸時代初期に活躍した飛騨出身の彫刻職人「左甚五郎」(ひだり じんごろう)。日光東照宮の有名な「眠り猫」の作者としても知られ、逸話も数多く存在する人物。また、毎年春と秋に催される高山祭の山車に彫られた彫刻も甚五郎作のものがあるとされます。
高山の自然と歴史、それを生かした酒造りの魅力を話す桂川さんですが、高校生の頃は都会に憧れを抱いていました。高校を卒業後、大阪の大学へ進学し、就職先は神戸。そんな中気づいたのが“住んでみてわかる都会”と“離れてみてわかる田舎”でした。
「あるとき地元に帰ってきて、改めて自然豊かで歴史ある高山の魅力がわかった気がしました」。と話します。「高山の魅力を発信したい!」と強く感じ、舩坂酒造店の歴史漂う店構えを見て入社を決めたそうです。
雄大な自然と多くの歴史が息づく飛騨高山。「日本酒を通して一人でも多くの方を笑顔にしたい。高山にお越しいただいたお客様に日本酒を通じて、その背景にある高山の魅力も知って欲しいです」と笑顔で話す桂川さん。
舩坂酒造店もまた、飛騨の歴史となり、魅力でもあるに違いないと感じました。
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飛騨高山の森まつり期間中の11月17日(金)には地酒ナイトが開催されます!
※要予約。35名限定。予約はこちらから↓
https://goo.gl/forms/Tmdzjj2uQwULzaJm1
イベントの概要はこちら
有限会社舩坂酒造店
岐阜県高山市上三之町105番地
TEL:0577-32-0016
FAX:0577-32-2824
HP:http://www.funasaka-shuzo.co.jp/