47都道府県の柱プロジェクト~静岡県~

丸志木材株式会社(静岡県)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、名古屋・伏見にある「moriwaku cafe」と岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<静岡県の森林・木>
静岡県西北端にある天竜地域は奈良県の吉野、三重県の尾鷲と並んで「日本三大人工美林」に数えられています。浜松市天竜区はおよそ90%が森林という、豊富な森林資源に恵まれた地域。南アルプスから流れる清流が区の中心にある天竜川に注がれます。天竜の森のはじまりは、なんと500年以上も昔、文明年間(1469〜1487年)だったと言われています。江戸時代中期以降には林業家の青山善右衛門が創始した杮(こけら)板という木材が、天竜川を下って遠く江戸に届けられ、江戸市場を独占したと伝えられています。

そして、明治時代には「暴れ天竜」として洪水などの水害で恐れられていた天竜川を治めるために、実業家の金原明善が川の上流にスギやヒノキの植林をはじめ、これが今の天竜林業の礎となりました。このように、長い歴史の中でたくさんの人の手によって苦労をかけて育てられた森だからこそ、日本三大人工美林と呼ばれるようになったのかもしれませんね。

※ 「柿板」:屋根をおおうために使われた薄い木材。木の小羽板。

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何世代にもわたって育てられた
森の魅力を伝えるために

「丸志木材株式会社」では、山で伐採された原木をさまざまなサイズの建材に加工する“製材”を中心に、天竜の木材をあらゆるユーザーに届ける仕事をしています。伐採された原木は皮を剥かれた後すぐに、「台車」と呼ばれる大きな製材機械で、ある程度の大きさまでカットしていきます。この時、木の性格や特徴を見ながら、この木にもっとも適した木材は何か?ということを考え、あらかじめどういった部材になるかを決める「木取り」を行います。同社のモットーは一本の丸太をできる限り無駄なく使うこと。「木取り」の段階で、捨てる部分はほとんどありません。残った部分ですら、チップにしてボイラーの燃料などに使っています。

実は、大量生産型の製材工場では丸太の約半分は捨ててしまいます。手間を省いて数をこなすことでコストカットをしているのです。確かにそのほうが効率はいいかもしれません。しかし、何十年もかけてその木を育てた人や育てられた木を大切に想い、手間をかけてでも皮以外ほとんど無駄がない製材をする、それが丸志木材の自慢と誇りです。

また、もう一つの特徴であるのが「産地直送」です。通常の木材ルートでは、たくさんの中間業者をはさんでおり、仕入れをするのに時間やコストが余分にかかってしまいます。これを産地直送にすることで時間とマージンコストを改善しています。さらに、「どこで生まれた木なのか」が明確にわかることにもつながります。「生まれた場所」から「お届け」まで責任を持って行うことで、より安心して天竜材を使ってもらい、天竜材の良さ、無垢材の良さを少しでも多くの人に感じてほしいと考えています。

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上記の静岡県の木は森ワクカフェ(https://bit.ly/2K2wHfc)と森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/にて柱材として活用しています。その風合いぜひ間近で体感してみてください!

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丸志木材株式会社
静岡県浜松市天竜区佐久間町相月2684
TEL 053-987-0262
HP http://www.marushimokuzai.co.jp/