47都道府県の柱プロジェクト~宮城県~

株式会社くりこまくんえん(宮城県)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、名古屋・伏見にある「moriwaku cafe」と岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<宮城県の森林・木>
東北地方はかつてブナなどをはじめとする広葉樹林が広がっていました。しかし、戦後復興の木材需要増加にともなう拡大造林により、広葉樹が伐り尽くされ、成長の早いスギが大量に植えられました。宮城県もその一つであり、県内の人工林は約4割がスギで占められています。

また、太平洋に面している地域や奥羽山脈に面している場所があり、同一の県でも気温・降雪量などがまったく違うため、いろいろな木の表情を見ることができます。特に太平洋側にある南三陸杉や奥羽山脈に連なる栗駒山の栗駒杉などが有名です。

※「広葉樹」:樹木を葉の形態で分類した名称で、針葉樹に対応する語(「森林・林業・木材辞典」より引用)
※「拡大造林」:天然林を伐採した跡地、原野などに人工造林を行うこと。増大する木材需要にこたえるため1957(昭32)年から1960年代後半にかけて強く推進された(「森林・林業・木材辞典」より引用)

安全と安らぎを届ける

「株式会社くりこまくんえん」は自社伐採から製品加工までを一貫して行っています。主な商品として燻煙乾燥を施した木材を販売。端材などを燃やしてその煙と熱で木材をいぶし、乾燥させています。燻煙の効果として防虫、防カビ、防腐が期待できます。一般に出回っている木材は薬(防カビ剤や防腐剤など)がついている物もありますが、燻煙乾燥であれば人体に影響を与える心配がありません。また、一般的な乾燥方法の一つである高温乾燥は木の繊維を壊し、焦げたような匂いになってしまうといったデメリットがあると言われています。しかし、燻煙乾燥では温度を70℃以下にして行うため、木の性質はそのままに水分を飛ばすことができます。

このように、安全を考慮しつつ、木の良さを最大限に実感してもらえるよう工夫しています。また、人と森とが共生して暮らせることを目標に森林保全活動や地域循環型社会の確立に向けた活動にも積極的に取り組んでいます。

“どこの山で誰が伐ってきたのか、誰がどのように挽いたのか”
“薬品を使わない”

木が山から消費者のもとに届くまでの流通経路が長い林業・林産業だからこそ、顧客に安心を届けられる製品づくりに励んでいます。

※ 「高温乾燥」:過熱蒸気乾燥。100℃以上の過熱蒸気で木材を急速乾燥すること。(「森林・林業・木材辞典」より引用)

 

宮城 (1)

 

天然乾燥中の木材。燻煙乾燥後におよそ3か月かけて乾燥させます

上記の宮城県の木は森ワクカフェ(https://bit.ly/2K2wHfc)と森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

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株式会社くりこまくんえん
宮城県栗原市鴬沢袋島巡44番地7号
TEL 0228-55-3261
MAIL info@kurimoku.com
HP: http://www.kurikomakunen.jp

参考文献等)
南三陸杉|山さ、ございん http://yamasagozain.com/minamisanrikusugi.php
宮城県農林水産部林業振興課(2017)「みやぎの森林林業」