この木はいったい何歳だろう? 年輪からわかる樹木のこと
みなさんは木の年輪を見たことがありますか?
丸太の切り口を見ると円形のしましま模様が確認できます。この不思議な模様はいったいなんなのでしょうか?
木の断面からわかるこの縞模様を「年輪」と呼びます。カンの鋭い方ならお気付きかも知れませんが、字の如く一年間ごとに輪が順に増えていきます。この年輪の数を数えると樹木の年齢がわかります。せっかくなので実際に数えてみました。
この杉の年齢はどうやら48歳のようです。みなさんも丸太を見かけたら、何歳の木なのか数えてあげてみてください。
さて、年輪の様子を観察してわかることは実は年齢だけではありません。年輪は白っぽい層と色が濃くなっている層があるのがわかります。前者を早材(そうざい)、後者を晩材(ばんざい)と呼びます。
早材は春から夏にかけて樹木が肥大成長(横方向の成長)した部分で、晩材が秋から冬にかけて成長した部分となります。季節によって樹木の成長が変わり、それが年輪となるのです。よって季節の区別がない熱帯雨林の樹木では年輪が確認できません。(熱帯でも雨季・乾季が明確に分かれているモンスーン林やサバンナでは年輪が確認できます)
この早材と晩材の層の厚さからその年の季節が予想できます。例えば早材の層が厚い場合は気温が高い日にちが多く、雨量も十分だったというように予想ができます。ただし、年輪がいつでもきれいにできるとは限りません。
上の写真を見ると、年輪が二つ交わっているのが見えます。これは樹木が傷を修復している際にできるものです。またよく見ると断面を1周していない年輪が見つかることがあります。これは疑年輪と呼ばれているもので、短期的な高気温や乾燥、食害によって成長が著しく阻害された際に生じます。
年輪を数える際に注意しないと実年齢より老けて見えてしまいますね。
木のことを少しでも知ると、木に触れるのが楽しくなりませんか?もし丸太を見る機会があれば年輪を数えてみてください。