【後編】愛知が生んだ、大自然の隠れ避暑地、設楽町をデザイニング!
愛知県設楽町神田(かだ)区となごや環境大学が連携して、森をデザインしていくプロジェクト。後編は森の中へと入っていきます。
「森イキ!デザイニングプロジェクト」前編はこちら↓
https://moriwaku.jp/activity/6286/
あふれんばかりの大自然、神田の山
腹ごしらえが終わったら、いよいよ森へと入っていきます。
ヤマビル(血を吸う虫)対策に塩水をかけ、ずんずんと奥へ。
「ベンチを置こうかな」
「川へ下る道ができるといいな」
各々、いろいろなデザイン構想を練りながら気ままに歩きます。
プロジェクトで手がける森は、比較的平坦なところ。これは、神田に疎開してきた人たちが、食糧難のため山の中を畑または田んぼとして使っていたからだと言われています。
山には珍しく平らな場所なので、ゆっくりと植物を見たり、森林浴を楽しむことができる場所でした。
マイナスイオンの聖地?
さらに奥へ進むと、言葉を失うほどの綺麗な川が。透明度が非常に高く、森の緑を映しています。
愛知県にこんなところがあったなんて…!と驚き。
この地形は約1600万年前に噴火してできたそうで、この辺り一帯は全て1枚の石灰岩で繋がっているとのこと。
ふと感じる、水の音と土の香り。壮大な自然の中にじっと佇んでいると、自分の悩みなんてちっぽけに思えてきます。
さらに、驚くほど涼しい!名古屋はこの日、35度ほどありましたが、この山の中はさらりとして気持ちがよいくらいでした。地元の方によると、25~27度くらいだとのこと。
私たちが到着する前に、この川原でイスに腰かけくつろいでいるご夫婦がいました。ここでゆっくりしたくなる気持ちも分かります。ここの空気を体いっぱいに吸い込むと、心まで浄化されそうでした。こんな素敵な場所を自分の思うようにデザインできるなんて、ワクワクがとまらないですね。
「探そう、山の宝」
最後は校舎に戻り、みんなで振り返り。それぞれ感じたことを和紙に書き、共有しました。
「テレビもなければ、何にもない。そんなところにぜひ、遊びに来てください」と話すのは木材に詳しく、チェーンソーアートの達人、神田の宮本さん。
山くらいしかない田舎だからこそ、宝になるようなものを探す面白さがある。言葉数は少ないけれど、熱い想いを秘めていると感じさせる印象的なフレーズでした。
そして、私たち外部の人間と地域の人が一緒に何かをするということは、じつは2倍、3倍の力を生むんじゃないか、そう思わせる力も感じました。
最近、「関係人口」という言葉を耳にします。
「関係人口」とは、「定住人口」にあたる移住者や、「交流人口」に含まれる観光客でもない、地域やその地元の人々と多様に関わる人のことを指します。つまり「よそ者」のこと。
まさによそ者を増やすことこそが、森イキ!デザインプロジェクトの目的なのです。よそ者が感じる魅力を様々なカタチで発信できたら、それは地域の新たな可能性となります。
よそ者だけで何かをカタチにすることは難しいかもしれませんが、地域の人となら実現できるんじゃないか、そんな可能性の萌芽をこの振り返りから強く感じました。
この大本のコンセプトである、「森をいかす」の「いかす」には“活用する” ・“粋”・ “流域”などさまざまな意味がこめられているそうです。
今後、この広大な森をどう粋にしていくか、森がどんな姿になっていくか、楽しみですね。
設楽町神田区までは名古屋市内から車で約2時間。その時間をかけてまで来たくなる、大自然と町の人の温かさがここにはありました。
プロジェクトはこの方たちと進めていきます
デザインプロデューサーの杉野さん。存在がどこまでも謎…愛があふれるパパ的存在。
「みんな思い思いの自然を感じ、それぞれの『想い』が形になるといいなあ」
NPO三遠南信Maido倶楽部の佐々木さん。笑顔が素敵!
「大自然がみなさんを呼んでいます!」
神田の人のために活動する近藤さん。とってもパワフルでキュートなんです。
「若い人の声が再び町に響いたことが嬉しい。今、神田は50歳以上の人が7~8割。若い人の働く場所がありません。ぜひ、森を愛して、神田を愛していただければ」
「毎日は大変だけど、たまには、第2の住処だと思ってきていただければ嬉しいです」
そんな、神田の温かさがあふれる言葉をいただきました。地域の温かさに触れ、大自然を体いっぱいに感じる。
そんなプロジェクトが、小さくとも、熱い想いで始動しています。
【「森イキ!デザイニングプロジェクト」今後のスケジュール】
第2回目 8/31(土)
第3回目 10/12(土)
第4回目 11/2(土)
第5回目 11/30(土)
第6回目 1月予定
↓↓↓お申込みはこちらから↓↓↓
https://www.n-kd.jp/calendar/lineup/koza19s/op03.html
※基本的には連続受講となります
※途中からの参加もできますが、人数に達し次第締め切りです