47都道府県の柱プロジェクト~秋田県②~

株式会社門脇木材(秋田県)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<秋田県の森林・木>
秋田県は典型的な日本海型気候となっており、降雪量の多い寒冷地です。このような厳しい環境で育ったスギは成長が遅い分、年輪幅が狭くなり木目が細かくなります。特に天然林においては他地域のスギよりも狂いが少なく、その美しい見た目から、木曽ヒノキ、青森ヒバとともに「日本三大美林」の一つになっています。これは米代川、雄物川流域を中心とした森林に生息する天然スギを指しており、樹齢200~300年ほどのものです。昔から天井板や建具をはじめとする高級建築材として利用されてきました。「曲げわっぱ」や「秋田杉桶樽」など、天然秋田杉を加工した工芸品も有名です。

近年では乱伐により蓄積が減少し、天然秋田杉は十数年後には枯渇すると言われ、現在では、実生苗による植林が東北各地で広く行われています。このため、近年では天然で育ったものを「天然秋田杉」、人工林のものを「秋田スギ」と呼んで区別しています。天然秋田杉は伐採量が極端に少なく、希少種として珍重され、高値で取引されています。

※ 「実生苗(みしょうなえ)」:種子を発芽させて造林用の苗木として育てたもの

木は全部使いきる

治山工事,型枠パネル取り付け

治山工事の様子

素材生産業者として1990年に創業した「株式会社門脇木材」。山で木を伐採したり植林・保育などの森林整備計画といった林業にとどまらず、現在では丸太を柱や板に加工する製材業や、治山のための土木工事など幅広く事業展開。近年はエネルギー分野に力を入れており、木材としての価値が低い低質材をチップに加工し、発電施設やボイラーの燃料として有効活用を図っています。クリーンなエネルギーを生み出し、かつ、森林資源を無駄なく使いきるこの取り組み。木が再生可能な資源だからこそできるものです。同社では地域貢献を目指し、木材の有効活用を図りながら活動を広げています。

社有林,門脇木材

社有林

自動選別機,丸太

丸太のサイズごとに自動で選別する機械

上記の秋田県の木は森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

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株式会社門脇木材
秋田県仙北市田沢湖卒田字柴倉135
TEL 0187-44-2942
FAX 0187-44-3287
HP http://kadowaki-mokuzai.com

参考文献等)
東北森林管理局/人工林杉の紹介http://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/policy/business/management/kyokyu/jinsugi.html
森林・林業・木材辞典編集委員会(1993)「森林・林業・木材辞典」