47都道府県の柱プロジェクト~三重県~
特定非営利活動法人 もりずむ(三重県)
この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、名古屋・伏見にある「moriwaku cafe」と岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market」内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。
<三重県の森林・木>
三重県の木といえば、古くから尾鷲檜(おわせひのき)などが有名ですが、今回は新しい木材「もりずむの木」を紹介します。もりずむの木とは月齢伐採+葉枯らし天然乾燥を経た三重県のスギ・ヒノキのことです。さて、いきなり聞きなれない言葉が出てきたので解説しましょう。
月齢伐採とは、満月の翌日から新月までの期間に木材を伐採する方法。木材のデンプン量が減り、虫がつきにくくなりカビにくいと言われています。葉枯らし乾燥とは伐倒した木を枝葉や皮をつけたままの状態で林地に一定期間放置し、枝葉が枯れるまで自然乾燥させるものです。葉からの蒸散※によって乾燥させます。材の乾燥により重量を減らして木材を運び出す作業の負担を軽減できることにつながるのだそうです。このことに加え近年は、材色やツヤの向上、含水率低下による収縮や割れなどの欠点の減少などさまざまな効果が見直されています。すばらしい素材を活かしてさらに高めるための技術が詰まった木材ということですね。
※ 「蒸散」:植物が葉から大気へ向けて水分を放出すること。
“木材から地域を元気に”
三重を元気にする木材への思い
もりずむの木を生産している「特定非営利活動法人もりずむ」では、木材を軸として中山間地域を盛り上げようとさまざまな活動を行っています。
①「もりずむの木」の製造販売
「月齢伐採+葉枯らし天然乾燥」+「トレーサビリティ確保」の付加価値の高い地域木材の製造販売。トレーサビリティとは木材がどこで誰によって生産・加工・流通されたかを消費者に提供するシステムのことです。
② 木工品・木製楽器の製造・販売
積み木ブロック、コースター、まな板、杉箸、テーブル、スツール、棚などの木工品、ペンダント、ブローチなどの装身具、木のオカリナ「樹・音(じゅね)」などの製造販売。
③「木こり体験ツアー」イベント
一般の方々に、林業・森林への理解を深めてもらうために、伐採、枝打ち、皮むきなどの林業作業を体験してもらう機会を提供。林業体験のない一般の方を対象に、プロからの説明を聞きながら見学、体験をするものです。伐採現場を体感することで、樹木という「命」への愛情を育み、木材への愛着、林業への関心、理解を深めてもらうことを目指しています。
④「森林空間」利用促進事業
快適な森林空間を、子どもから大人までもっと幅広く知ってもらい、楽しんでもらえるよう「企業の森」事業などを行っています。
⑤「もりずむのマキ」薪プロジェクト
端材などを有効利用した薪を製造販売しています。地域商店と連携した地域通貨券を発行して経済の地域循環を促進させ、林業および地域全体が少しでも元気になることを目標に活動しています。
⑥ 林業・木材の普及活動
森林・林業・木材のすばらしさを広く普及するために、さまざまなイベント開催、あるいはイベントへの参加をして、実際に無垢の木材にふれてもらう機会づくりに励んでいます。また、三重県などからの依頼を受けて、小中学生を対象とした「出前授業」の開催、林業PR動画作成などに参加しています。
もりずむの活動からは「手間をかけて育て乾燥させた地元産材を近くの人たちが使っていく。そのことによって、山側も木材を使う側も“豊か”に健康的に暮らすことができる」という思いが感じられます。
上記の三重県の木は森ワクカフェ(https://bit.ly/2K2wHfc)と森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/)にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!
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特定非営利活動法人 もりずむ
三重県津市垂水1389-1
TEL 090-5458-6898
HP http://morhythm.org/