47都道府県の柱プロジェクト~島根県~
竹下木材有限会社(島根県)
この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、名古屋・伏見にある「moriwaku cafe」と岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market」内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。
<島根県の森林・木>
島根県には、古事記をはじめとするさまざまな神話の舞台になった中国山地がそびえたちます。竹下木材有限会社が提供する柱材は歴史あるこの地から産出された松材です。中国地方では古くから「たたら製鉄※」が盛んに行われてきました。たたら製鉄では、大量の木炭を消費します。そこで利用されていたのが痩せた土地に強い松です。そうして、松林が広く分布するようになりました。
中国山地は雨が降ったり、晴天になったりと天候が変化しやすく湿度変化も大きいです。そのため、松の年輪がかたく厚く育ちます。また、山陰地方は花崗岩(かこうがん)の風土土壌が多いので、樹木の成長が遅いです。年輪の割に肥大成長が小さくなるため、木目の細かい材ができやすいとされます。そうしてできる松は粘りがあり、強度や耐久性に優れています。また、経年変化とともに、すばらしい色艶を出すのも特徴の一つです。
※ 「たたら製鉄」:砂鉄などを用い、木炭の燃焼熱によって砂鉄を還元し、鉄を得る方法のこと。その歴史は古く6世紀ごろに日本に伝わってきた。
中国山地から選りすぐりの木を
創業50年を超える「竹下木材有限会社」は、“中国山地の歴史ある美しき「森」を後世に残す”、“山陰の地松にこだわり、美しき「松」の世界を伝える”、“伝統的な建築工法を支持し、大工の美しき「技」を支える”の3つの理念をもとに活動しています。松が日本の住宅で当たり前に使われる時代が再び来るようにものづくりへの情熱を持ち、より良い商品を届けるため日々研究を重ねています。松の良さを最大限顧客に伝えるため乾燥方法にもこだわっています。高温で乾燥させると、松が本来持っている粘りや強度が損なわれてしまいます。そのため、温度をなるべく上げず、自然に近い状態で乾燥させています。
また、その燃料も灯油だけではなく工場から出る廃材なども利用することで地球環境にも配慮しています。また、地松材は特に、一般住宅部材から社寺仏閣や重要文化財で使用される特殊材まで、あらゆる要望に対応することができます。例えば、京都御所、東本願寺、西本願寺、伏見稲荷大社などへの納材や、地元にある石見銀山※へも納材しまちづくりに一役買っています。
※ 「石見銀山」:2007年に世界遺産登録された鉱山遺跡。
上記の島根県の木は森ワクカフェ(https://bit.ly/2K2wHfc)と森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/)にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!
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竹下木材有限会社
島根県大田市鳥井町鳥越413-4(大田市工業団地内)
TEL 0854-82-0353
HP http://takeshitamokuzai.jp/