47都道府県の柱プロジェクト~福島県~
株式会社 押田製材所(福島県)
この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、名古屋・伏見にある「moriwaku cafe」と岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market」内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。
<福島県の森林・木>
スギやヒノキ、広葉樹の各生産量は全国でも上位に入るほど資源に恵まれている福島県。一方で、2011年に起きた東日本大震災による原子力発電所の事故で、放射性物質の森林への影響が懸念されてきました。現在は国や県による調査などが進み、森林内の放射性物質の減少が確認されるなど、復興に向けて着実に前進しています。県産材利用による人体への影響はほとんどないと考えられています(林野庁(2016)「放射性物質の現状と森林・林業の再生―復興・再生を目指して」参照)。
また、今回の災害により見直されたものもあります。海岸防災林です。海沿いにマツが植えられているのを見掛けたことはあるでしょうか。まさにあのマツ林が津波の威力を弱めたり、漂流物を止めたりと減災の効果を発揮。自然の猛威を自然の力で抑制することが再評価されつつあります。森林の機能としては水源涵養(かんよう)や生物多様性がよく挙げられますが、防災の役割としても大きな存在になっています。
木材のことならすべておまかせ!
山に囲まれ、久慈川(くじがわ)が流れるのどかなまち、福島県南部・矢祭町にある「株式会社押田製材所」。奥久慈の素材を原料として、建築用材を製材しています。秋田スギや木曽ヒノキなどの造作※材、ベイマツ・ケヤキ・マツなどの角材・集成材・板材・各種銘木・一般新建材など、幅広く対応しています。
また、年に数回、展示会とセリ市も開催。セリ市は工務店や大工向けのイベントですが、展示会は広く一般の方にも楽しんでもらっています。さらに、2015年からはショールームもオープン。キッチン、お風呂、トイレ、給湯機等、水廻り、新築、リフォームなどの相談ができるのはもちろん、さまざまなイベントも開いています。絵本や文具・雑貨が並ぶワンデイショップになったり、小物づくりのワークショップをしたりと自由自在に空間を活用。地域のコミュニティの場としても大いに活躍しています。
※ 「造作」:木造建築の内部の取り付けのこと。(「森林・林業・木材辞典」より)
上記の福島県の木は森ワクカフェ(https://bit.ly/2K2wHfc)と森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/)にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!
=====================
株式会社 押田製材所
福島県東白川郡矢祭町東舘字桃木町15
TEL 0247-46-3138
HP http://www.oshida-seizai.jp
参考文献等)
林野庁(2016)「放射性物質の現状と森林・林業の再生―復興・再生を目指して」
林野庁(2017)「平成28年度 森林・林業白書」