47都道府県の柱プロジェクト~東京都~

有限会社 浜中材木店(東京都)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、名古屋・伏見にある「moriwaku cafe」と岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<東京都の森林・木>
東京の山や森林を想像してみてください。どんな風景が広がっていますか?
実際数字で見てみると、東京都の面積のうち約4割が森林で占められています。思っていたよりも多く感じますか?いやいや、意外と少ないなあと思った方も、もしかしたらいるかもしれませんね。では一体どこに森林があるのかというと、そのほとんどが多摩地域に偏在しています。

昔は「青梅(おうめ)林業地」と呼ばれ、林業も盛んだったようです。一説によると、鎌倉時代から木が伐り出されていたとか。特に江戸時代は城や町の整備のために、多摩川の上流の木々が運び出されていました。筏(いかだ)を組んで川に流し、木場で荷揚げしていました。地名からもわかるように、現在でも木場(江東区)周辺には木材関連の企業が集積するなど、その名残を感じ取ることができます。そんな東京都の材ですが、本プロジェクトでも多摩産ヒノキを活用しています。

杣人の技を受け継ぎ、本物の家づくりへ

「有限会社浜中材木店」は先代が西多摩の山で素材生産業を行ったのが始まりです。昔から伝わる杣人(そまうど)の技と心、そして経験をもとに山の仕事を受け継いできました。杣人(そまうど)とは、山の樹木を伐ったり運び出したりする、いわゆる「きこり」のこと。時代とともに技術が進歩し、林業機械の性能は日々進化していますが、山仕事には山や木の性質を見極める職人の目と技が必要不可欠です。そうしたノウハウにより選び抜かれた木材を使い、快適で住み心地の良い住まいも提供しています。

土台、柱、梁、小屋組などの構造材、床、壁、天井などの下地材から仕上げ材まで自社で生産。実際に丸太を見ながら木材を挽いている製材所は、無垢の木材のことを一番知っています。その土地の気候・風土によって育った木は、同じ環境で使用するのが一番なじむため、地元の木で家をつくるのが良いと言われています。無垢の木は、よく割れや狂いが問題だと言われます。人に十人十色があるように、木もその特徴が一本ずつすべてちがうのが自然な姿。浜中材木店では一本一本職人の手により、木の個性に合わせて木取りをし、製材をしています。

山仕事から家づくりまでをトータルで行っているからこそできる、本物の木の家づくり。この自信こそが強みへとつながっています。

※ 「素材生産」:林内または山元土場において丸太を生産する。
※ 「木取り」:丸太から種々の製材品をつくること。
(「森林・林業・木材辞典」より)

メイン

 

製材機で丸太から板を挽いていきます

上記の東京都の木は森ワクカフェ(https://bit.ly/2K2wHfc)と森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

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有限会社 浜中材木店
東京都西多摩郡日の出町大久野854‐3
TEL 042-597-0722
HP http://www.hamanaka-zaimokuten.jp

参考文献等)
東京都産業労働局「東京都の森林・林業(平成28年版)」
東京都農林総合研究センター「青梅林業のあゆみ」
http://www.tokyo-aff.or.jp/center/chishiki/03/mori/003.pdf