47都道府県の柱プロジェクト~岐阜県~

株式会社 山共(岐阜県)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、名古屋・伏見にある「moriwaku cafe」と岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<岐阜県の森林・木>
岐阜県は県土面積に占める森林の割合が81.2%と、全国でも2番目の多さです。この森林資源の豊富さは昔からだったようで、鎌倉時代の頃から都の宮殿や寺院を建造するための用材が伐り出されていたといいます。特に県東に位置する東濃地方から産出される「東濃ヒノキ」は伊勢神宮の御用材として使われてきたため、古くから銘柄材として扱われてきました。

また、県南部と県北部で地形や気候が違うため、植生が大きく異なることも特徴の一つです。南部の美濃地方はツブラジイ、アラカシなどの常緑広葉樹で構成される森林があります。飛騨地方は落葉広葉樹が比較的多く、白山山麓周辺では、ブナ、ミズナラを主体とする原生林等が広がり、貴重な自然環境を残した地域といえます。

山と、そして、地域とともに生きる

自社林材の伐採・搬出から製材、乾燥、木材販売までを行う「株式会社山共」。本社は「東濃ヒノキ」の産地の一つである東白川村にあります。ただ、いくら銘柄材の産地だからといっても、過去の栄光だけでは売れないのも事実。そこで14年前、新たなブランド構築が必要だと、当時主に扱っていた外国産材から地域材へとシフトし、東濃地域であえてスギを積極的に売り出していきました。さらに、木本来の香りを残すことができる天然乾燥を取り入れたり、「FSC認証」を取得したりと独自のサービスを追求することで少しずつ信頼を積み重ね、自社ブランドを確立してきました。

こうした改革を地道に取り組んできたのが、3代目の田口房国さん。「元々、人と反対方向に行きたくなる性格で。それが今につながっているんじゃないかな」と朗らかに話します。そして、山共のもう一つの特徴といえば、地域に根付いているということ。東白川村の材を使い、従業員も地元の人を雇用し、また田口さん自身も村の歴史や文化を学び、愛着は増すばかりです。まずは自らがこの地で誇りを持って生きること。そこから地域の未来が開かれることを信じて。

※ 「FSC認証」:「環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林からの製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組み」のことです。FSCのロゴがついた商品は、適切に管理された森林の木が使われていることが保証されています。(「FSCジャパン」HPより引用)

上記の岐阜県の木は森ワクカフェ(https://bit.ly/2K2wHfc)と森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

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株式会社 山共(やまきょう)
岐阜県加茂郡東白川村越原976番地10
TEL 0574-78-2516
HP http://www.yamakyo.com/

参考文献等)
岐阜県林政部(2017)「平成27年度版 岐阜県森林・林業統計書」
岐阜県:特徴のある森林
http://www.pref.gifu.lg.jp/kurashi/kankyo/shizenhogo/c11265/toku-shinrin.html