森林文化アカデミーへの入学が条件!? ゴルフ場を森に還す人材を募集中!

森林について多角的に学べる「岐阜県立森林文化アカデミー」への入学を前提条件とした求人を聞きつけた森ワク編集部。しかも、学費と在学時の生活費も会社が負担してくれるなんて!

なぜそこまで思い切った求人を???と気になってしまい、その求人元である「株式会社銀の森コーポレーション」(岐阜県恵那市)代表取締役社長の渡邉好作さん・企画担当の田中美穂さんに話を伺ってきました。

自然の中で働きたい、という素朴な思い

業務用冷凍食品、冷凍おせちの製造、総合公園施設・恵那 銀の森を 運営している「株式会社銀の森コーポレーション」。

会長である渡邉大作さんは幼い頃から森が大好き。そんな自然の中で働きたいという思いから、緑に囲まれた工場を建てたのが1996年のことでした。

恵那銀の森

恵那 銀の森

恵那銀の森

恵那 銀の森の中にある「PATISSERIE GINNOMORI」

2011年には恵那スイーツファクトリーも新設。合わせてショップやレストラン、公園が融合した「恵那 銀の森」(http://ginnomori.info)をオープンし、お客様も自然の空間を楽しめるようにと施設運営を始めました。

さらに、エネルギーも自然の力を活かしたいと、太陽光エネルギーを利用して工場を稼働させる仕組みをつくりました。なんと現在のエネルギー自給率は約60%なんだそうです!

しかし、着実に事業展開していく中、「森っぽい商品やお店がないよなあ」というモヤモヤ、事業と森がかけ離れていく違和感もありました。「自分たちの暮らしが森の恵みで豊かになっているのだから、自分たちも森を豊かにしていくべきだと思うんです」と渡邉社長。

そこで新たに掲げた企業ビジョンが「森で豊かに、森を豊かに」です。人と森が共生できる社会を目指して「恵那の100年の森計画」が2017年からスタートしました。

森と地域と共生する食品工場へ
恵那の100年の森計画

この計画では、新工場を建設予定のゴルフ場跡地に、地元固有の木々を植えてより豊かな森をつくり、「森と共生する工場」の実現を目指します。

環境とは相反するイメージの“工場”。でも、それはあくまで思い込みにしか過ぎないのかもしれません。同社では、できるだけ自然環境への負荷を抑えながら、地域の憩いの場となる森と食品工場が共存共栄する、革新的な空間をつくりたいと考えています。

当初は森林整備に出資する“企業の森”のような、多くの大手企業が取り入れている形を検討していました。しかし、それでは自分たちが理想とする森が実現できない、森本来の力を目覚めさせるような活動を自らの手で行っていこうと、社内で森づくりに取り組むことを決めました。

今はまだ、子どもたちとどんぐりを拾い、それを苗として育てている段階ですが、一歩ずつこの計画が動き出しています。

園児によるどんぐり拾い

この取材の翌日に行われたどんぐり拾いの様子

どんぐり

どんぐりから育った苗

昨年秋に拾ったどんぐりから成長した苗たち

※森づくり活動ブログはこちら↓
https://ginnomori.info/blog/archives/category/forest-making-activities

理想の森を実現させるために
アカデミーで学んでほしい

なぜアカデミーへの入学が必須条件なのか、渡邉社長に聞いてみました。

「ゴルフ場跡地を豊かな森林に育てていくためにも、植林や伐採などの森林管理、子どもたちとの交流や木炭づくりなど、多様な森のグランドデザインをしてほしいと思っています。

会社としても今までにない形ですし、負担になる部分もありますが、長い目で見たときには、会社にも地域にとっても良い影響を与える場所になるはずだと考えています。

ただ自分たちには専門知識があるわけでもないので、周りの方に声をかけて協力してくれそうな人を探しました。実際のところ『帯に短し襷に長し』で、私たちが求めることとは少しずれていて、ぴったりな人が見つかりませんでした。伐採の技術だけがあっても意味がないですし、同時に人をつないだり、情報発信もできる人材がうちには必要なんです。

炭づくりなどもぜひやってほしいと思っているのですが、大事なことはその人が炭づくりをできるようになることじゃないんですよ。なんとなく覚えていればいい。この地域にも炭づくりの文化はありますし、昔からやってた人もいる。やりたい人もいっぱいいるんですよ!

本格的に商売としてやるのは難しいので、人を集めてボランティアのような感覚で炭づくりを楽しむグループを組んだり、そういった人たちと一緒に情報発信をしたり、外に出てもっと輪を広めるようなことをやってほしいですね」

こうしてたどり着いたのが森林文化アカデミーでした。ここであれば林業や木工、環境教育、里山保全など、森林に関する幅広いことが学べます。同社がやりたいことを理解し将来を見据えて、社員として2年間学んでもらう。そして卒業後は、吸収したことを活かして、色んな森づくり活動を徐々に展開してくれる人材を育てていきたいとのことでした。

また、企画担当の田中さんからは、「面白くないことを面白くするのが仕事だと思うので、何ごとも楽しんで前向きに取り組める方にぜひ来ていただきたいです」とメッセージをいただきました。

ところで、銀の森ってどんな会社?

事業部は大きく分けて、製造事業部と銀の森事業部(小売)に分けられます。

銀の森の田中さん

ゴルフ場跡地を案内してくれた企画担当の田中さん

同社の原点である製造チームは、職人気質のスタッフが多く、真面目で落ち着いた雰囲気。小売チームは物腰柔らかで穏やか。「銀の森事業部に所属している人たちは優しい人たちが多いですね。あんまりカリカリしていなくて。『お客さんに楽しんでもらえるかどうかが大事だからこそ、自分たちも楽しく仕事をしたい』という感じです。お客様ファーストの考え方が大きいですね」と話す田中さん。

事業間では適宜コミュニケーションを取って連携を図り、新たな活動を前進させています。また、会長・社長との距離感も近いのが特徴です。実は、この取材の翌日に幼稚園児たちがどんぐり拾いに来る予定でした。ただ、どんぐりが不作気味でちょっと少ないかも…ということで田中さんが会長に相談したところ、「俺が拾ってくるわ!」と拾いすぎなくらい集めてきてくれたそうです(笑)森づくりの事業は会長・社長直轄の案件となるため、闊達な議論が期待できそうですね!

また、「自分のやりたいことを言ったもん勝ちみたいなところもあって、それで社長のOKが出ればその人の仕事になっていきます。もちろん提案すればするほど自分が忙しくなるんですけどね(笑)」と、チャレンジ精神あふれる風土でもあるようです。

ところで、求人への応募を検討している方にとっては、居住地となる恵那という地域性も気になるポイントではないでしょうか。

最近は色んなお店が建ち始めて、昔に比べたら格段に住みやすくなったようです。名古屋も電車で約1時間と比較的近く、生活していく上で不便に感じることは少なさそうです。また、隣の中津川市にできるリニア新幹線の駅も本社から車で約10分と、交通の便はさらに良くなります。森もあって、都会へのアクセスも良く、生活もしやすいバランスの良い地域と言えるかもしれませんね。

気になる実際の条件は?

細かな点は担当者との相談になりますが、現時点で大まかに決まっていることは以下のとおりです。

・年齢、性別、経験不問(ただし、大卒もしくは社会人経験者であること)
・岐阜県立森林文化アカデミーで2年間就学(入学時期は相談)
・学費は会社負担。基本給も支給(金額は未定)
・在学時は学業に専念でOK。定期的な会社との進捗共有あり
・卒業後は本社配属

アカデミー卒業後の給与や待遇面などについては、以下のリンク先をご覧ください。

以下のURL先から求人への応募が可能です。
https://job.moriwaku.jp/job/p609/

銀の森が目指すビジョンの根幹を担い、“森のプロデューサー”的存在となる今回の募集人材。

多くの困難や苦労が待ち受けていそうなことは想像に難くありませんが、その分、前人未踏の新たな挑戦ができそうですし、色んな可能性を秘めた取り組みだと感じます。

自然に囲まれた環境で働きたい、自分の力を試してみたい、誰もやったことがないことに挑戦してみたい、銀の森の思いに共感した、そんな方はぜひお気軽にお問い合わせください。まずは担当者と話してみるだけでも大丈夫です!

自然と食に囲まれた新しい生き方を、銀の森で始めてみませんか?

《お問い合わせ先》
就業サポート元:飛騨五木株式会社
担当:渡邊
E-mail:info@goboc.jp