卒業生から見た、岐阜県立森林文化アカデミー
林業について学びたい、木や自然のことをもっと知りたい、森林業界で働いてみたい、そんな思いでネット検索し、ここへたどり着いた皆さん、ようこそ!
まさにそんな方にちょっとでも参考となるような情報を届けたいと思い、岐阜県立森林文化アカデミー卒業生である森ワク編集部の田中がこの記事を執筆しています。
「森林 学校」で検索すると真っ先に出てくるであろう「岐阜県立森林文化アカデミー」。林業や木造建築、木工、環境教育、里山保全など、森に関わるさまざまな生業(なりわい)や文化、つまり「森林文化」について幅広く学ぶことができる、全国でも稀有な存在の教育施設です。
まずはどんな特徴があるところなのか見ていきましょう!
ここを押さえればOK!3つの特徴
①全国初?森林文化を包括的に学べる県立の学校
②47都道府県の各地から集った老若男女が学生
③学生同士・先生との密なコミュニケーション
林業大学校のような林業専門の学校は、京都府や長野県などに何件かありますが、これだけ多様な面から森林文化について学べる学校はここが全国で初めてだと言っても過言ではありません。(最近では、このアカデミーに近い教育機関も増えてきているみたいですが)
森林文化アカデミーの入学者は北海道から沖縄県まで全国各地から集まります。さらに、学科の一つである「クリエーター科」は社会人経験者を対象としていることから、年齢層も豊か。
エンジニア科を含むと、高校を卒業したばかりの20歳前後から60代まで所属しているため、まるで多世代住宅に暮らしているような気分です。研修で外へ出ると、学生が先生に間違えられることは日常茶飯事でした(笑)
ちなみに、私の同級生にも学校の先生を定年退職して入学してきたおじちゃんがいました。学ぶ内容はさることながら、集まる人も特異的で面白い学び舎なのです。
こうした幅広い年齢層に加えて、学生数が少ないことから学生同士・先生との距離が近いことも大きな特徴の一つ。
歳が離れている同級生とも焚き火を囲んで将来について語り合ったり、自主的に計画して一緒に視察へ出かけたり。先生たちも協力的で、休みの日に部活動感覚で植物観察会を行ったり、授業とは別で敷地内にある炭窯で一緒に炭をつくってくれたりしたこともありました。
自然が好きという共通項があることや、何でもやってみようの精神があるから生まれる空気感なのかもしれません。
肝心の授業内容については、アカデミーのホームページに充実した情報が載っていますので、そちらをチェックしてみてください!
https://www.forest.ac.jp/
また、気になる卒業後の進路ですが、全国的に林業・木材産業界が人手不足という現状もあり、アカデミー生における就職は好調なようです。社会人経験豊富な学生もいるため、起業する卒業生も多くいます。今年秋の学祭では「卒業生を巡るツアー」も開催されます!
詳しくはこちらへ↓↓↓
https://www.forest.ac.jp/admissions/monitor-tour/
入学への道!
令和2年度の入学試験スケジュール(第1回目)
すでに入学を検討中という方は、こちらの入試スケジュールをご覧ください。
<出願期間>
10月1日(火)~15日(火)
※当日消印有効
<試験日>
・森と木のエンジニア科 10月26日(土)
・森と木のクリエーター科 10月27日(日)
高校卒業程度の方が対象の「森と木のエンジニア科」は推薦枠での募集、大学卒業程度または社会人経験者が対象の「森と木のクリエーター科」は推薦(後継者枠)、一般枠の募集です。
その他の入試日程など、入学試験の詳細はこちら↓
https://www.forest.ac.jp/admissions/
\予約すれば平日でも見学できる!/
エブリデイ・オープンキャンパスの申し込みはこちら↓
https://www.forest.ac.jp/admissions/everydayopencampus/
見学・入試はこんな感じでした!
森ワク編集部員、かつての体験記
余談ですが、実は私もエブリデイ・オープンキャンパスを利用して学校見学をしました!当時はまだ別の会社で働いていたこともあり、半日だけ有給休暇を取って行った記憶があります。
このとき、アカデミーに入学しようか迷っていることを誰にも言っていなかったので、ちょっと後ろめたさもありつつドキドキ感でいっぱいでした。
初めて行く場所だったので、事前にネットでしっかり下調べ。そのおかげでスムーズに目的地に到着したんですが、ここからがちょっと難しい!
想像以上にアカデミーの敷地が広くて、どの建物に何があるのかよく分からず少し迷ってしまいました。
初めて訪れる方はこの建物が目印です!
正面玄関から入ってすぐ左横にある事務所に声をかけてみてください。
私の訪問時は、林業専攻の先生の部屋へ赴き、そこで色々と相談に乗ってもらいました。1時間くらい話したかもしれないです。
当時は転職という形ですぐに林業界に飛び込むか、先にアカデミーで林業について学ぶのか、どちらが良いのか悩んでいたので、そのあたりのことを相談しました。
このとき、先に学んだ方が良いよと先生にアドバイスをもらい、アカデミーへの入学を決意しました。今振り返ってみても、いきなり転職で飛び込んでいたら視野が狭くなり後悔していたかも、と思うことがあるので、予め話を聞いてもらえて良かったなあと思っています。
せっかくなので、入学試験時のことも書き記しておきます。
私が受験する決意をしたのが年末でした。そのため、第3回目にあたる入試日(1月)に受験。
当日は確か自分以外に2名ほどの受験者がいて、隣の席の女性はなんと北海道からわざわざ来ていました。この驚きは今でも覚えています。どおりでスーツに長靴という不思議な格好で来ていたわけです(笑)彼女とは今でも連絡を取り合うほどの仲になるとは、このとき微塵も想像していませんでした。
入試の内容自体は小論文と面接なので、あまり気難しく構える必要はないです。ありのままの自分でいきましょう。ただ、なぜアカデミーで学びたいのか、何を学びたいのかはしっかり考えておくと良いと思います。
改めて、アカデミーでの学生生活を思い返すと、苦しいことや悩むことなどたくさんありましたが、学生数が少ないからこその学生同士・先生との距離の近さ、将来について真剣に話し合える仲間に出会えたこと、社会人経験を経ているからこそ気付く学ぶことの面白さ、その時間の貴重さ、さまざまな発見・出会い・成長があったと感じています。
自分次第の部分も大きいですが、森を取り巻く生態系のように、人・モノ・情報が織り成す豊かな系を持っているのが森林文化アカデミーです。
森林を軸とした自分の新たな世界を、ここから少しずつ広げてみる選択肢もいいですね。