化石になった木を見たことはありますか?

岐阜県美濃加茂市御門町にある「化石林公園」。その名のとおり、化石になった林を観察することができます。

美濃加茂市は木曽川(日本で5番目の大きさ!)と乗鞍岳を源流とする飛騨川の合流地点となる地域です。かつて中山道の宿場町・太田宿として栄えた頃は、この木曽川を渡る「太田の渡し」が“中山道の三大難所”の一つでした。

1994年の夏、異常渇水により木曽川の水位が急激に低下。これをきっかけに、太田橋下流の木曽川河床から425本の樹木の化石が立ったままの状態で発見されました。これほど大規模な化石林の発見は全国で初めてではないかと言われています。

化石林公園

化石林公園遠景

この化石は、はるか昔に森林があったことが分かる痕跡です。木曽川と飛騨川が地面を深く削ることで、削り残された河岸段丘(河川に沿って階段状に発達する地形)の上に河川で運ばれてきた土砂が積もり、森林もいつしか埋もれ、今の地盤ができあがっています。

化石林ってなに?

化石林とは、

「生育していた状態のままで、地層中に散在する樹木の化石をいう。水辺の森林が比較的短期間に水底に沈んで土砂に埋もれたり、火山活動により森林が火山灰に埋もれたりしてできたもの。」(日本国語大辞典より)

だそうです。
まあ、想像どおりな感じですね!

この化石林に含まれている地層は瑞浪層群で、約1900万年前(中新世前期)のものです。こうした林の形跡以外にも、上流でカニサイと呼ばれる大型ほ乳動物の足跡化石や、動物化石としてバク、ミノシカ、ビーバー、コイ科の魚類、植物化石として、メタセコイア、カバノキ、ブナ、ニレ、クルミ、カエデ、ウリノキなどが確認されているようです。

色んな生きものが暮らした痕跡の残る地層の上に、私たちの日常が成り立っているんですね!普段はなかなかそこまで考える機会はないですが(笑)、そう思って暮らしてみるとちょっと面白みが増すかもしれません!

これが木の化石だ!

化石林公園

何の変哲もない川辺り。
でも、地面をよーく観察すると、あるある!化石が!

化石林公園
断面を観察すると、確かに年輪らしき曲線が確認できます!

写真の化石の大きさがよく分からないって?
じゃあ、私の名刺ケースと比べてみましょう↓

化石林公園

結構ちっちゃいですね!
写真の化石木の直径は約3cmでした。

ちなみに、この化石林の樹径は1cmから1mほどまで。高さが最大で約50cmと、その規模は日本最大級と言われています。化石木の主な種類はアオギリ科の仲間の樹木で、今の日本には分布していないようです。

確認された中だと最高樹齢は112年、全体で見ると樹齢20年以内の木が多いのだとか。

探すのに苦戦するかなと思っていましたが、今回は2~3分で見つけることができました!早い!!
探せばもっと大きい直径の化石もあるはずです。お近くに行く機会があればぜひ皆さんも探してみてくださいね。報告お待ちしております!!


(参考サイト
・ジオランドぎふ
https://geo-gifu.org/geoland/1_kaseki/kaseki_24_kisogawakasekirin.html
https://geo-gifu.org/tour/5_tour/tour_5_4.html

・国土交通省中部地方整備局
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/kisomaps/win/002/map.html