47都道府県の柱プロジェクト~愛知県~

材惣木材株式会社(愛知県)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、名古屋・伏見にある「moriwaku cafe」と岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<愛知県の森林・木>
moriwaku cafe・moriwaku market内にある愛知県の柱材は奥三河産の60~70年物のヒノキです。枝打ちなどの手入れがしっかりされており、無地の(節のない)板や柱の材をとることが多い奥三河。雪が少ない、火山灰がない、標高が高く土壌が良いなど、林業に適した地域で、古い歴史を持っています。

奥三河はスギが有名な地域ですが、今回は柱材であること、香りを楽しんでもらいたいという思いからヒノキを提供していただきました。奥三河産ヒノキは、白に近い淡い薄ピンク色をしていること、主張しすぎない適度な香りを持つこと、白太が少なく赤身が多いことが特徴です。これらを活かすため、今回は1年以上かけた天然乾燥材を使用しています。

※ 「白太」:丸太の断面は一般に中心部の色が濃く、その周辺は淡い色です。この淡色部分を白太または辺材と呼びます。
※ 「赤身」:上記の色が濃い部分を赤身または心材と呼びます。
※ 「天然乾燥」:寸法の安定性が低いため取扱いには熟練の技術を要します。少なくとも半年以上かけて乾燥させるため、細胞の損傷が少なく色・ツヤ・香りともに、とても美しく仕上がるのが特徴です。耐用年数も樹齢に応じて60年物なら60年、100年物なら100年持つと言われています。

“挑戦し続ける”材惣木材

 

愛知 (1)

木材市場にて丸太などの卸売も行っています

3世紀以上にわたり木材を扱い続けてきた「材惣木材株式会社」。五代将軍徳川綱吉や忠臣蔵で有名な江戸元禄時代、初代の材木屋惣兵衛が知多郡寺本村から名古屋市の元材木町(現在の名古屋市中区錦一丁目)に移り、材木商を営んだのがルーツです。これだけ長く続けられたのは、同じ木材を扱いながらも大きく変わる時代の変化に対応して業態を変えてきたからこそです。江戸時代は尾張徳川家の御用商人として木材業を営みました。明治・大正・昭和の中頃までは枕木などのインフラ資材の供給を主業とし、昭和の中頃以降になると木材卸問屋として国産材や外材の流通が主な仕事に。現在は木材の総合企業として建築・木工をはじめとしたあらゆる分野を網羅する幅広い事業を展開しています。

主な事業については、住宅用資材の供給はもちろん、スギ・ヒノキなど国産材の原木、製材品の卸売のほか、外国産製材品の卸売もしています。そのほかの事業として名古屋城本丸御殿などの高級木材の流通、不動産賃貸や太陽光発電などの新しい事業にも取り組んでいます。

さらに、1年ほど前には「中大規模木造営業部」を立ち上げ、木造建築の介護施設やクリニック、商業施設などに構造提案から加工、施工まで総合的に提供しています。また、自社山林を中心に伐採から植林を行う「森林企画開発」の事業も始めています。今後も変わりゆく状況を見据えながら、さらに350年、400年と社業が続くことを目標として日々努力を続けています。

上記の愛知県の木は森ワクカフェ(https://bit.ly/2K2wHfc)と森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

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材惣木材株式会社
愛知県名古屋市中区錦1-1-2 ザイソウビル
TEL 052-203-1690(総務部)
MAIL zaiso-soumu@zaiso.co.jp
※メールでのお問合せの際は、件名欄に「お名前/お問合せ」の入力をお願い致します。
HP http://www.zaiso.co.jp/

参考文献等)
森林・林業・木材辞典編集委員会(1993)「森林・林業・木材辞典」㈱日本林業調査会