47都道府県の柱プロジェクト~青森県②~

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market」内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<青森県の森林・木>
青森県には世界自然遺産の白神山地、樹氷で知られる八甲田山、複式カルデラ湖である十和田湖など、全国的に知名度の高いスポットが多くあり、観光としても楽しめる自然に囲まれています。また、樹種が豊富であることも特徴で、下北半島や津軽半島に広がる“日本三大美林”の一つである青森ヒバを始め、白神山地や八甲田山のブナ、全国第4位の人工林面積を誇るスギ、県南地方のアカマツ、海岸線にはクロマツなど、県内に多種多様な樹種が分布しています。

中でもアカマツは南部地域(青森・岩手県北)の主要樹種の一つで、今回のmoriwaku marketでも使用されている木材です。現在は松喰い虫被害などにより生産量が少なくなっていますが、南部地域には被害を受けていない木がまだ残っています。木材としては反りやねじれが出やすいため、樹齢に関係なく紙の材料としてのチップ利用が多くありました。一方で、アカマツの木肌の美しさや柔らかな身、優れた耐久性から、梁などの建築材としても使用され、ブランド化への取り組みも行われています。

職人の技を生かした地産地消の家づくり

「株式会社大山建工」は青森の南部地域の木を使用し、熟練した職人によって、昔ながらの技法で建築を行っています。地元で育った木を使う家づくりにこだわり、「あおもり産木造住宅コンテスト」で最優秀賞などを受賞。地産地消の家づくりに積極的に取り組んでいます。同社は代表の大山重則さんが25歳のときに創業。2019年には40周年を迎えます。京都伝統建築の大家である中村昌生さん(財団法人京都伝統建築技術協会理事長)との出会いや、数奇屋建築の魅力にのめりこんでいったことをきっかけに、今では高度な技術を要する数奇屋建築に臆することない組織へと大きく変化しました。

※「数寄屋(すきや)建築」:室町時代に造られたと伝えられる日本建築様式の一つ。茶室建築の手法を採用した建築。

また、「素晴らしい地元の木を絶やすことなく、育てることにも取り組んでいかなければならない」という想いから、スギ、アカマツ、クリの植栽と下刈りのボランティアにも取り組み、豊かな森林を次世代に引き継いでいます。

上記の青森県の木は森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/)にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

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株式会社 大山建工
青森県八戸市河原木字千苅田7-1
TEL 0178-21-3055
HP https://www.ooyamano-ie.jp/

参考文献等)
地方独立行政法人 青森県産業技術センター「青森県の森林林業の概要(平成26年度版)」
数奇屋とは?その魅力を徹底解剖!
https://www.homify.jp/ideabooks/1379047/%E6%95%B0%E5%AF%84%E5%B1%8B%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E3%81%9D%E3%81%AE%E9%AD%85%E5%8A%9B%E3%82%92%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%A7%A3%E5%89%96%EF%BC%81