47都道府県の柱プロジェクト~大分県②~

大分

株式会社トライ・ウッド(大分県)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market」内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<大分県の森林・木>
大分県は古くから杉の産地として「日田林業」「日田杉(津江杉)」が有名です。1491年(延徳3年)、旧中津江村にある宮園神社の社殿再建時に杉を植えたことが植林の始まりとされています。現在は杉の生産量が79万㎥で全国3位、ヒノキは14万㎥で全国6位と今でも林業が盛んに行われています。また、地元の特産品である「日田下駄」の原料として杉が使われるなど、地域文化の一端を担ってきた存在でもあります。

守るために、攻める姿勢を貫く

グラップル,林業機械

平成2年に旧上津江村(現日田市上津江町)によって、地域の基幹産業である林業・木材産業を守り、地域の雇用を確保するために設立された「株式会社トライ・ウッド」。『後世に残そうかけがえのない森林(みどり)を』。これをモットーに山の管理から製材・加工品の生産・販売までを手掛ける総合林業会社です。同地域の主要産業である林業を後世に残すために、“経済と環境を両立”させた事業を行っています。山の事業では、伐採をするだけでなく、SGEC森林認証の取得や、オフセット・クレジットを行うなど、環境に配慮した森林づくりに取り組んでいます。

※「SGEC森林認証」:森林認証は独立した第三者の審査機関が一定の基準等を基に適切な森林経営や持続可能な森林経営が行われている森林及び経営組織などを認証して、それらの森林から生産された木材・木材製品にラベルを貼り付けることにより、消費者の選択的な購買を通じて生物多様性の保全や持続可能な森林経営を支援する取り組み。(一般社団法人日本森林技術協会HPより)

※「オフセット・クレジット」:再生可能エネルギーの活用でCO2排出量を削減したり、間伐などの森林整備でCO2吸収量を増やしたりすることで、その排出削減量や吸収量などを“クレジット”として国が認証。このクレジットを買うことで、CO2排出量を減らすことが難しい企業などは排出量を相殺(オフセット)することができます。

 

輪掛け乾燥,木材乾燥

太陽光と自然の風を使った木材の天然乾燥「輪掛け乾燥」の様子。井形に積み上げられた丸太がずらっと並ぶ光景は圧巻です!

太陽光と自然の風を使った木材の天然乾燥「輪掛け乾燥」の様子。井形に積み上げられた丸太がずらっと並ぶ光景は圧巻です!

さらに、製品分野では、『杉本来の良さをお客様のお手元まで』をモットーに、“環境と健康”に配慮した製品にこだわっており、顧客から非常に高い評価を得ています。日田地域の杉は赤身がかかった温もりのある色が特徴です。杉本来が保持している調湿性・香り・色つやなどをできるだけ損なわずに、なおかつ利便性の高い柱材の生産を行っています。これを実現するために、柱材はドライングセットをかけた後、低温もしくは自然乾燥しています。これによって、杉本来の機能を損なわずに、背割れを必要としない柱に仕上げることができます。

※「ドライングセット」:高温(120℃くらい)で材の表面を急速乾燥させることで割れにくくする乾燥方法。ドライングセット後、自然乾燥もしくは天然乾燥を行います。背割れがないので、珪藻土のひび割れ等が発生せず、自然・低温乾燥なので化粧材として活用されます。

長い年月をかけて生長する木を伐る林業は、木を代々受け継いできた人々に感謝し、自分たちも同じように未来につなげる責任があります。「使う」と「育てる」を繰り返す林業には、消費と再生という生きることの本質があるのではないでしょうか。同社では林業を通じて、見えにくくなってしまった「やま」と「まち」のつながりを「人と人のつながり」として大切にしたいと考えています。そのためにも、森林を中心とした循環型社会を維持していくことが使命だという矜持を持ち、「Pay it forward(次へ渡そう)」を合言葉に幅広い事業を展開しています。今後もさらなる取り組みの広がりに目が離せません!

上記の大分県の木は森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/)にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

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株式会社トライ・ウッド
大分県日田市上津江町川原2810-1
TEL 0973-55-2656
FAX 0973-55-2323
HP http://www.try-wood.com/

参考文献等)
林野庁(2017)「平成28年度 森林・林業白書」
日田 林業の歴史 | 森林と林業と木材-日田木材協同組合
http://www.hitasugi.jp/history

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