47都道府県の柱プロジェクト~沖縄県~

八重山森林組合(沖縄県)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、名古屋・伏見にある「moriwaku cafe」と岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market」内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<沖縄県の森林・木>
沖縄県は暖流である黒潮やモンスーンの影響による温暖湿潤な気候から、亜熱帯樹林が形成され、さらに大陸との分離や結合など地史的条件が重なり、多くの固有種や希少種を含む特異な森林生態系が成立しています。主な樹種としてはイタジイやイジュ、イスノキ、リュウキュウマツなど、あまり耳にしたことがないような種名が多くあります。その反面、台風常襲地帯であるため林業にとっては厳しい環境でもあります。樹木もまっすぐに成長しづらく、建築用として使える木材の生産はあまり期待できません。これらの影響のせいか、県内の木材需給量に対する県産材の割合は3.9%とごくわずかであり、人工林も16%とそもそもあまり人工的には植えられていません。県土に占める森林面積も47%であり、全国的にも低い数値となっています。

moriwaku cafeとmoriwaku marketで活用している沖縄の柱材はイヌマキという樹木です。地元では“チャーギ”と呼ばれていて、琉球王朝時代には貴重木として価値が高かったそうです。白くなめらかな木肌で、耐湿性があり、シロアリなどの病害虫に強いため、沖縄では建築用材や家具、仏壇などに重宝されてきました。沖縄戦で多くが焼失し、戦後も伐採された影響で建築材として県内では入手困難で、全国的にもあまり流通していません。現在、県内では床の間の床柱として使われることがあるようです。

島の木々を守り育てる

「八重山森林組合」では、間伐や植栽、苗木の販売のほか、石垣島の木材を使用した石垣島木炭も製造・販売しています。地域の森林管理主体として、森林を協同で守り育て、森林環境保全と林業発展を通じて、地球温暖化防止や水源の保全、国土の安全、健全な森林環境と良質の木材をエンドユーザーに提供しながら、健康で安心豊かな住生活を支えて行くことを使命としています。

 

樹齢およそ200年のリュウキュウマツの幹。大人何人分の直径になるのでしょうか

 

リュウキュウマツ

上記の沖縄県の木は森ワクカフェ(https://bit.ly/2K2wHfc)と森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

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八重山森林組合
沖縄県石垣市字石垣1396-2
TEL 0980-82-4097
HP https://yaeyamashinrin.jimdo.com/ 

参考文献等)
沖縄県農林水産部森林管理課(2017)沖縄県森林・林業アクションプラン「うまんちゅの森づくり ~未来につなぐ森づくりをめざして~【後期:平成29年度~平成33年度】」
沖縄県農林水産部森林管理課(2017)「沖縄の森林・林業(概要版)平成28年版」
チャーギ – 琉球新報 – 沖縄の新聞、地域のニュース
https://ryukyushimpo.jp/news-dic/prentry-12955.html