発掘!地底の森

地底から出でくる森の正体とは

地底から森が発見されているということを知っていますか?
富山県に国の特別天然記念物に指定されている「魚津埋没林」という森林跡があります。実は、この森林跡は1930年頃に地中を掘っていて偶然発見されたものです。中には、幹の直径2m以上、推定樹齢500年の巨木も見つかっており、発見されたままの場所・状態で「魚津埋没林博物館」に保存されています。ここでは、約二千年前のスギ原生林跡を見ることができます。さらに、種子や花粉、昆虫などの痕跡なども残っており、当時からの環境の変化を知ることのできる貴重な証拠になっています。

埋没林ができるまで

埋没林が作られる方法はいくつかあります。要因としては、海面上昇によるもの、土砂の蓄積、火山の噴火による火山灰の堆積などが挙げられます。先ほど紹介した魚津埋没林は、海面上昇の影響で海岸沿いの原生林のある一帯が湿地になりました。そのあと、泥が堆積して層が厚くなり、徐々に原生林が衰退していったと考えられます。そして、上部に川からの土砂が堆積され、現在のようになったということです。水中保存されたこの魚津埋没林からうける神秘的な雰囲気に、思わず圧倒されます。

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埋没林はここだけではありません。島根県中部の「三瓶小豆原埋没林」には、およそ四千年前の巨木群が立ち並びます。放射性炭素値の測定により明らかになりました。大きなものでは高さ12m、根回り10mを超える幹が直立しています。三瓶小豆原埋没林は魚津埋没林のでき方とは異なり、三瓶山の噴火により埋没してできました。

上の写真は1983年に発見された埋没林の展示です。人と比べると幹がとても大きいことが分かります。
地中から発掘された埋没林たちは貴重な太古の姿を私たちに見せてくれます。時を超えて太古の森から私たちに何を伝えてくれるのでしょうか。なかなか見れない森林に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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施設情報
魚津埋没林博物館(富山県)
開館時間9:00~17:00(入館受付は16:30まで)高校生以上520円、小・中学生260円(ただし、土日祝日は無料)団体割引有
三瓶小豆原埋没林公園(島根県)
開園時間9:00~17:00 大人300円、小中高校生は100円 団体割引有