47都道府県の柱プロジェクト~福岡県②~

福岡県広域森林組合(福岡県)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、岐阜県の養老町と輪之内町にある「moriwaku market」内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

<福岡県の森林・木>
福岡県の森林面積は約22万haで、県土面積に占める森林率は45%(全国平均は66%)となっています。福岡というと都会のイメージで、あまり山や森のイメージがない方も多いかもしれませんが、一方で「八女杉(やめすぎ)」の生産地として林業が盛んな地域もあります。江戸時代より久留米・柳川両藩が山奉行を設けて、マツ・スギの植林を奨励していたという記録もあるようです。八女林業の特徴は、八女杉に代表されるように、民有林の約8割をスギが占めています。樹木が成長する上で重要となる林地の生産力は県の平均を大きく上回っており、スギの生育に適した地域と言われています。

※「民有林」:森林の所有区分のことで国有林に対する語

百年後の森林のために

架線集材の様子

架線集材の様子

 

架線集材の様子

効率よく運び出せるように一箇所に木材を集めます

 

木材の搬出作業

丸太の運搬で大活躍の林業機械

福岡都市圏を中心とする29の市と町をまたいで、約7万haの森林を管理している「福岡県広域森林組合」。2013年に11の森林組合が合併して誕生しました。管轄の自治体面積で考えると、県土の半分近くを占めていることからも分かるように、広大なエリアを管理しているのが大きな特徴です。この地域の森林を守り育てていくためにも、森林資源を適正に管理し、利活用していくことが求められています。そこで事業を拡大していくべく、高性能林業機械の導入や、人材の育成に注力。

加えて近年では、災害発生リスクへの対応も急がれているところです。2017年7月に起きた「九州北部豪雨」により山から大量の流木が発生したことで、多くの家屋が被害に遭いました。山の中で作業をするためには、機械が通ることのできる道が必要になります。しかし、しっかりと設計して作らなければ土砂崩壊の一因になってしまう可能性があるのです。そこで、林地を傷つけにくい架線(かせん)を使った丸太の搬出方法も検討するなど、周辺住民の生活にも配慮し、先を見据えたビジョンを持って林業に取り組んでいます。

※ 「架線集材」:空中に架け渡してあるワイヤーロープに設置された搬器などを、ワイヤーの巻き取りによって移動させ、丸太を運び出す方法(スキー場のリフトの仕組みに近いイメージ)

上記の福岡県の木は森ワクマーケット(https://moriwakumarket.jimdo.com/)にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

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福岡県広域森林組合
福岡県糟屋郡篠栗町篠栗4923-4
TEL 092-410-1237
FAX 092-410-1238
HP http://f-forest.org

参考文献等)
矢部川流域プロジェクト
http://www.yabegawa.info/yabe-brand/post-1.html
森林・林業・木材辞典編集委員会(1993)「森林・林業・木材辞典」
福岡県(2017)「H28年度農林水産白書(第2部:林業編)」